陸上特殊無線技術士は1級から2級、3級がまであり、それぞれ一陸特・二陸特・三陸特とも呼ばれています。三陸特は企業で取得したり、個人で取得する人がいたりと幅広い方が目指している資格です。
本記事では、陸上特殊無線技士がどんな資格なのか、どのように取得できるかなどを解説していきます。
第3級陸上特殊無線技士とは?
第3級陸上特殊無線(三陸特)とは、FVPドローンや陸上の各種無線を使用するために必要な国家資格です。
無線では、トランシーバー等を使って会話することができます。テレビで警察官がトランシーバーを使っていたり、タクシーでも無線が入っているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
【FVPドローンとは】
FVPとはFirst Person Viewの略で、日本語で一人称視点という意味です。ドローンから見た視点のことで、操縦者はドローンについているカメラを通してドローン視点で空撮することができます。
第3級陸上特殊無線技士は、警察無線・消防無線・鉄道無線・タクシー無線など、陸上を移動する基地局で操作することが出来ます。正しく使用しないと、緊急時の連絡や鉄道運行を妨げてしまう可能性があるため、国家資格が必要となっています。
1級では、テレビのように様々な場所に通信ができる多重通信を操作出来たり、2級では特定の市町村の放送局無線を操作することができます。
陸上無線技術士との違い
陸上特殊無線技士と似た資格で、「陸上無線技術士」という資格があります。どちらも国家資格ではありますが、取り扱える電波の周波数などが違います。
また、陸上無線技術士は今回紹介している陸上特殊無線技士の上位互換の資格です。無線技術士は1級~2級、特殊無線技士は1級~3級まであります。
【陸上特殊無線技士】(今回紹介している資格)
正式名 | 略称 | 操作範囲 |
第1級特殊無線技士 | 1陸特 | 陸上の無線局の空中線電力500W以下の多重無線設備で30MHz以上の周波数の電波を使用するものの技術操作 等 |
第2級特殊無線技士 | 2陸特 | 陸上の無線局の空中線電力10W以下の無線設備で1606.5kHzから4000kHzまでの周波数の電波を使用するもの 等 |
第3級特殊無線技士 | 3陸特 | 空中線電力50W以下の無線設備で25010kHzから960MHzまでの周波数の電波を使用するもの 等 |
【陸上無線技術士】
正式名 | 略称 | 操作範囲 |
第1級陸上無線技士 | 1陸技 | 陸上無線設備の技術操作全般 |
第2級陸上無線技士 | 2陸技 | 空中線電力2kW以下の無線設備 等 |
無線の資格には、この他にも「アマチュア無線技士」という資格もあります。こちらも国家資格ではありますが、”アマチュア”とついているように利益目的など仕事で活用することはNGとなっており、趣味の範囲で楽しめる資格となっています。
第3級特殊無線技士の難易度
第3級陸上特殊無線技士の合格率は80%~99%と難易度は低い資格です。しっかりと勉強していれば、ほぼ合格できる国家資格です。
国家試験受験、養成課程どちらも取得できる資格、操作範囲は同じです。
全くの初心者や、不安がある方は養成課程を経て資格取得することをオススメします。講習は全国で随時開催しており、講習は1日間、費用は20,000円程です。
【養成課程実施事業者】
実施事業者名 | 会場 | 費用 |
QCO企画 | 全国各地
※e-ラーニング形式有 |
20,200円 |
トライアロー株式会社 | 東京
※e-ラーニング形式有 |
19,800円 |
株式会社ブレーンネット | 東京 | 19,352円 |
日本無線協会 | 全国各地 | 22,650円 |
※2023年1月現在
養成課程は1日で資格取得できるとはいえ、2万円前後の費用がかかります。国家試験受験費用は5,600円と養成課程よりも費用は抑えられるので、現段階で無線関連の仕事に従事している方や、知識がある方は直接国家試験を受験しても問題ありません。
国家試験の日程や問題などを見て判断していきましょう!
第3級陸上特殊無線技士の過去問はある?
第3級陸上特殊無線技士の過去問は公開されているので、試験前に腕試しすることができます。過去問は、インターネット上で無料でダウンロードできるものや、解答集・解説付きの本も販売されています。
【インターネット上の過去問】
掲示事業者 | 過去問 |
情報通信振興会 | 2019年~2022年までの過去問掲載 |
特技ラボ | 2018年~2022年までの過去問掲載 |
日本無線協会 | 2022年の過去問・解説を掲載 |
※2023年1月現在
第3級陸上特殊無線技士の試験内容
国家試験・養成講座修了試験ともに、試験内容は無線工学・法規の2種類に分けられます。
無線工学:無線を扱う上で、必要な電波の性質や電気回路など
法規:電波を扱う上での法律(電波法)など
国家試験は、2022年からCBT方式でのテストが採用されています。CBT方式とは、全国に設けられたテストセンターにあるパソコンを使って受験するシステムです。
通常のペーパー試験よりも豊富に設けられた試験日・試験開始時間の中から自分の都合に合わせて選択が可能です。
2022年以前はペーパー試験でしたが、現在は全国各地のテストセンターで受験できるようになっています。日程も随時開催しているので、チャレンジしやすい環境が整っています。
国家試験を受験する場合は、日程を確認し、試験日を目標に過去問で力をつけていきましょう!
まとめ
- 第3級陸上特殊無線技士は、一部のドローンや陸上の各種無線を使用するために必要な国家資格
- 資格取得方法は、直接国家試験受験・養成課程受講の2種類
- 合格率は国家試験が80~90%、養成課程が98~99%と難易度は低い
- 過去問はネット上や本も出版されている
第3級陸上特殊無線技士は、取得しやすい資格です。無線業界で働く一歩として、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?