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総合無線通信士はオワコン?独学でも取れる?難易度や合格率、実技について解説!

資格を取りたい人
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総合無線通信士ってどんな仕事をする人なの?
資格のエキスパート
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総合無線通信士とは海上や航空、陸上の無線局の無線設備の操作を行う仕事をしています。

みなさんは総合無線通信士という資格があるのを知っていましたか?恥ずかしながら筆者はこの資格について全く知りませんでした。総合無線通信士という名前からして無線関係の仕事に就くための資格であることはなんとなくわかりますよね。
この記事では総合無線通信士について以下のことに触れていきたいと思います。

  • 総合無線通信士という仕事
  • 資格について
  • 資格の取得方法
  • 資格試験の難易度や合格率

総合無線通信士に興味のある方はぜひ最後まで読んでいってください。

総合無線通信士ってどんな仕事?

総合無線通信士とは陸上、海上、航空における無線局の無線設備の操作を行う仕事をしております。仕事内容を具体的にあげると以下の通りになっています。

  • 局内での各種無線通信
  • 電話の通信操作
  • 電報の送信・受信といった通信業務
  • 暗号業務
  • 無線設備の技術操作

無線設備を広範囲にわたって扱うことのできる無線通信のスペシャリストですね。
また総合無線通信士は一級から三級の3つに分けられており、それぞれ仕事内容が変わってきます。

  • 第一級総合無線通信士・・・無線通信業務全般。主に国際航海を行う商船の船舶局での通信業務、船舶と通信をする海岸局の無線設備の操作。
  • 第二級総合無線通信士・・・日本近海を航海する商船や、比較的規模の大きい漁船の船舶局、漁業用の海岸局での無線設備の操作。
  • 第三級総合無線通信士・・・遠洋漁船の船舶局、漁業用海岸局での無線設備の操作。
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三級から一級にかけて仕事に携われる通信範囲がどんどん広がっている感じだね。
資格のエキスパート
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第一級総合無線通信士ほどになると、モールス信号を含めた操作もできるようになるのですよ。

総合無線通信士は警察庁や気象庁などの官公庁をはじめ、民間の無線機メーカー、船舶関係企業などで活躍しているの職業なのです。

総合無線通信士という資格

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総合無線通信士資格は無線従事者になるための国家資格のひとつであり、無線に関する資格の中で最高峰といわれています。総務省管轄の国家試験に合格した人だけが総合無線通信士の資格を取得することができるのです。しかし独学で合格を狙うにはかなり厳しいとされるくらいの難易度で、合格率が低い資格となっています。

活用できる場面が多い為に需要が高く、通信士としての仕事はもちろん通信工事の管理や電設会社への就職など、無線関連以外にも幅広く活かせる資格です。また趣味のドローン撮影などにも活かすことが出来る資格が総合無線通信士となっています。

陸・海・空すべての無線設備を扱える知識と技能が必要なため、専門学校や大学で学ぶことが資格取得への一番の近道となります。次に資格の取得方法について学んでいきましょう。

総合無線通信士資格の取得方法

児童指導員_資格_取り方_通信_ユーキャン_大学③

総合無線通信士の資格を取得するための試験に受験資格や年齢制限はなく、だれでも受験することができます。
なので独学で勉強し、試験に挑むことももちろん可能ですがとても難易度が高い資格のためかなりの覚悟が必要です。
資格取得までの流れは以下のようになっています。

  1. インターネットで申請をする
  2. 電子メールで受験票が届く
  3. 試験を受ける
  4. 電子メールで試験結果が届く
  5. 無線従事者免許の申請をする

試験の申請は試験期日の2ヶ月前の1日(午前0時)~20日(23時59分)までの間に受け付けており、インターネットで申請を行います。申請そのものはインターネットで済みますがこの期間に顔写真の登録や試験料の納付、必要書類の郵送などすべて行わないといけないのでなるべく早く申請をしておきましょう。詳しい申請方法についてはこちらをご確認ください。

申請後は電子メールで受験票が届きますが試験当日はA4の用紙に印刷した受験票が必要なので必ず当日までに用意しておきましょう。

試験結果は試験終了の3週間後までに電子メールで届くようになっています。
合格した場合、自分が住む場所を所管する総務省の各地方総合通信局へ合格後3ヶ月以内に手続きを行いましょう。

総合無線通信士資格の試験内容

医療事務技能審査試験_在宅試験_独学_勉強方法_履歴書①

総合無線通信士資格試験の内容について触れていきましょう。
まず試験日は年に2回、9月と翌年の3月に行われています。

資格を取りたい人
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試験申請の期間が2ヶ月前の1日~20日だったからそれぞれ7月中もしくは1月中に申請をすればいいね。

受験料はそれぞれ以下のようになっています。

  • 1級 21,200円
  • 2級 18,800円
  • 3級 13,600円

資格試験は筆記試験と実技試験に分けられており、同日に両方は行わず先に筆記による試験が実施されます。出題される範囲は級によって異なってきます。各級の出題範囲を見ていきましょう。

筆記試験の内容 実技試験の内容
1級 工学基礎
工学A
工学B
法規
英語
地理
電信(和文・欧文暗語・欧文普通語)
電話(欧文)
印刷電信(欧文普通語)
・船舶と航空機に設備されている無線設備の操作(モールス電信含む)
・海上と航空関係の無線局の無線設備(海岸局、海岸地球局、航空局、航空地球局等)
・陸上の無線局の設備操作(固定局、陸上局、移動局、無線即位局、放送局)
2級 工学基礎
工学A
工学B
法規
英語(会話・筆記)
地理
電信(和文・欧文暗語・欧文普通語)
電話(欧文)
・航空関係の無線局の設備操作(航空局、航空地球局、航空機局、航空機地球局)
・船舶に設備されている無線設備、海岸局の無線設備等の国内通信の為の操作(モールス電信含む)
・船舶に設備されている無線設備の国際通信の為の操作(モールス電信含む)
・固定局、基地局、無線即位局等の無線設備の技術的操作(放送局除く)
3級 工学基礎(br)工学
法規
英語(筆記)
電信(和文・欧文暗語・欧文普通語)
・漁船に設備されている無線設備の国内・国際通信の操作(モールス電信含む/無線電話除く、電気通信業務の通信除く)
・漁船に設備されている無線設備の国内通信の操作(無線電話含み、船舶地球局・航空局とのモールス電信除く)
・漁船以外の船舶に設置されている無線設備の国内通信の操作(船舶地球局・航空局とのモールス電信除く)
・漁業用海岸局の無線設備の操作(モールス電信含む、国際通信除く)
・放送局以外の固定局、基地局等の無線設備の国内通信の為の操作
・レーダーの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの操作

筆記試験はマークシートによる選択方式です。欧文と書かれている項目がありますがこちらもすべて選択で英語での対話といったものではなく聞き取り試験になります。

資格のエキスパート
資格のエキスパート
欧文とは英語やドイツ語、フランス語などのヨーロッパ諸国で使われる言語による文章のことです。

実技試験は電気通信の技術を見られるもので約三分間のモールス電信を行います。

資格のエキスパート
資格のエキスパート
総合無線通信士試験に必要な英語力は英検準2級~2級レベルくらいといわれています。

総合無線通信士の試験免除

もし以下の資格を持っている人がいたら、試験の一部が免除されます。

  • 第1級陸上無線技術士
  • 第2級陸上無線技術士

免除される試験の詳細は下記のとおりです。

保有資格 受験する資格 免除科目
第1級陸上無線技術士 第1級総合無線通信士
第2級総合無線通信士
工学の基礎
無線工学A
無線工学B
第3級総合無線通信士 工学の基礎
無線工学
第2級陸上無線技術士 第1級総合無線通信士
第3級総合無線通信士
工学の基礎(1級、3級免除)
無線工学(3級のみ免除)
第2級総合無線通信士 工学の基礎
無線工学A
無線工学B

総合無線通信士資格の難易度や合格率

医療保険士_資格_合格率_給料_③

総合無線通信士の資格は他の国家資格と比較してみてもかなり難易度の高い資格と言えるでしょう。
毎年100人以上の受験者がいる中、合格できるのは10人いるかいないかというところです。
総合無線通信士の資格の取得には月単位ではなく年単位での対策を練ることが必要です。
また自分に合った勉強法や学校を見つけることも合格への確実な道のりです。

次に合格率について見ていきましょう。
それぞれの級についてまとめた表が以下のとおりです。

受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第一級総合無線通信士 207 10 4.8
第二級総合無線通信士 91 1 1.1
第三級総合無線通信士 197 3 1.5

※令和3年度の実施結果

表の合格率の低さから難易度の高さがわかりますね。
各級の受験者数に差はあるもののすべて5%に満たない合格率です。
総合無線通信士になるには非常に狭き門を通らなければいけないことが判断できます。

総合無線通信士資格はオワコン?

総合無線通信士の資格はオワコンではないかと言われています。それはなぜかというと昨今では総合無線通信士の資格を生かしたモールス電信技能の職の需要がほぼないからです。

また1990年代の無線通信に関する改革により海上無線局での通信士にモールス信号の送受信技能の必要がなくなりました。その結果海上無線通信士という職ができ、さらに総合無線通信士の需要が減ってしまったのです。

かつて総合無線通信士の資格は無線関係の資格の中で最難関とされ、「最高峰」とまで言われてきました。今では「オワコン」と言われてしまっていますが全く需要がなくなったわけではありません。
総合無線通信士の資格を持っていることで警察庁や海運会社、航空会社、電気通信事業会社などの就職面で有利になることもある上に漁業の無線協会や官公庁で活躍している人もいます。
最近では女性の総合無線通信士も増加傾向にあり、オワコンと言われている一方で注目を浴びている資格でもあるのです。

まとめ

以上、「総合無線通信士はオワコン?独学でも取れる?難易度や合格率、実技について解説!」でした。
いかがでしたでしょうか。

総合無線通信士の資格についてまとめると以下のようになります。

  • 総合無線士は無線通信のスペシャリスト
  • ドローンの撮影など無線関連以外にも活かせる
  • 受験資格や年齢制限はなく、だれでも受験が可能
  • 難易度は高く、合格率は5%ほど

総合無線通信士の資格はとても難しく合格するまで年単位でかかることもあります。とはいえ無線業界の中では国際的に活躍のできる資格です。

モールス電信の技術の需要がなくなった今、スマホをはじめとした通信機器の技術は今後も発展し、需要が見込まれる職種・資格であると考えられます。

資格の取得が自分の存在価値を高めることにつながるでしょう。
とても難易度の高い資格ではありますがぜひ取得を目指してみてはいかがですか。