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米国公認会計士(USCPA)の難易度は?独学での費用は?年収は高いの?仮完成

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みなさんUSCPAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
USCPAとはU.S. Certified Public Accountantの略で日本語では米国公認会計士とういう意味です。

そう説明されても米国会計士ってなに?ってなる方もいると思います。
筆者自身も恥ずかしながら米国公認会計士というものを知りませんでしたし、そもそも公認会計士と会計士の違いは?とういうレベルでした(笑)

この記事では米国公認会計士について説明しつつその職の年収だったり資格を取るのにあたって難易度や独学でも可能なのか、資格取得の費用はどれくらいなのかなどをまとめていきたいと思います。

少しでも興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。

米国公認会計士(USCPA)とは

前述しましたようにUSCPA(米国公認会計士)とはU.S. Certified Public Accountantの略で米国における各州で認定される公認会計士資格であり、一般的にUSCPACPAと呼ばれることが多く、全世界で認知度の高いビジネス資格です。

USCPAは以下のような業務を行います。

  • 米国の法律に基づいた税務申告や会計業務
  • 監査として決算書や会社の内部統制の確認
  • 経営に関するコンサルティング

USCPAは国内企業と海外企業の間で上記のような業務をし、パートナーシップを結ぶための架け橋みたいなイメージです。

公認会計士と米国公認会計士の違い

まず公認会計士と会計士の違いをざっくり分けると以下のようになります。

公認会計士→公認会計士の資格(国家資格)を持ち公認会計士名簿に登録されている人
会計士→明確な定義や法令等無く誰でも名乗ることができる

実際のところ同じ職業を表すため違いはなく、その違いを気にするのは会計の業務に携わる人たちくらいです。

そこで公認会計士と米国公認会計士の違いについての話になるのですが大きな違いは「公認会計士として日本で働いていけるのかどうか」という点です。

日本の公認会計士は国家資格であり、監査業務や会計業務に携わりゆくゆくは独立開業もすることはもちろん可能でしょう。しかし米国公認会計士は米国の各州で認定される公認会計士のため州をまたいで活躍することのできない限定的な資格なのです。ですのでもちろん日本でも公認会計士として活躍することはできません。

また日本の公認会計士は合格者の人数を制限しており、公認会計士同士が競合しないように配慮してくれています。
ですが米国公認会計士は合格までの難易度が低いため米国公認会計士の人数が多く競合が絶えません。資格取得後の目標、何をしたいか?企業にどう貢献ができるのか?が重要となってきます。

米国公認会計士の資格を取得しても限定的な資格なら働きにくいのではないか日本の公認会計士を目指すほうがいいのではないかと思われるかもしれません。
ですが日本の公認会計士は米国公認会計士と比べて国際的な認知度低いですし、「日本の」が故にこちらも限定的な資格と言えるでしょう。
国際的な背景では米国公認会計士のほうがアピールポイントとしてもメリットが高いのです。

米国公認会計士と日本の公認会計士の難易度

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日本の公認会計士と米国公認会計士。どちらのほうが難易度が高いのでしょうか。
この2つの資格の勉強時間と合格率をざっくりとまとめてみました。

日本の公認会計士

  • 勉強時間:4000時間
  • 合格率:9.6%(2021年度)

米国公認会計士

  • 勉強時間:1000時間
  • 勉強時間:1500時間(会計知識がほとんど無く英語も得意ではない)
  • 合格率:50%(2021年度)

比べてみると米国公認会計士は日本の公認会計士より合格率が高いことがわかりますね。

合格率約50%ということは受験者の2人に1人は合格していることになり難易度も高くないように思えます。しかしこの合格率は全世界の合格率であることを注意しなければなりません。
米国公認会計士の試験はすべて英語で行われるため、母国語でない日本人の平均合格率は全世界のものと比べて比較的低くなっています。試験範囲も広く英語の勉強も必要となってくるため日本人にとっては難易度が高い試験と言えるのではないでしょうか。

ただ日本の公認会計士の合格率の低さには受験資格が無く誰でも受けられることからそれほど勉強していない人が合格率を下げているという背景もあります。米国公認会計士は受験資格に学位要件単位要件というものが必要とし、ある程度の知識がある人のみが受験できるため必然と合格率も高くなっているのです。

結論としては日本人にとって米国公認会計士の資格取得は難易度が高いと言えますが上記のような背景からは日本の公認会計士と比べてどちらが難しいのかは一概に言えません。

学位単位:大学を卒業し一定の学位がある
単位要件:会計単位とビジネス単位を一定以上取得している

米国公認会計士取得までの費用

資格取得を考えるのにあたって費用は気になるところですよね。
取得までにかかる費用はざっと以下の3項目に分けられます。

  1. 学習費用→約30~80万円
  2. 受験資格を得るための準備費用→約3万円
  3. 受験費用→約30~40万円

項目ごとの詳細について以下のように説明していきます。

①学習費用

こちらは専門学校や予備校に通った場合の学費になります。
もし独学で取得する場合はカットできる費用になりますね。
一般的に学費は約30~80万円ほどです。
取得している単位によって学費が変わってくる予備校や専門学校もあります。

②受験資格を得るための準備費用

英文成績証明書や英文卒業証明書、学歴評価料といったものが必要となってきます。

英文成績証明書英文卒業証明書は次に説明する学歴評価に必要なもので自分が卒業した大学に発行してもらうよう依頼をします。
かかる費用は大学ごとに異なりますがだいたい1通400円です。

日本の大学等で単位や取得した場合、学歴評価機関に学歴評価というものを依頼をする必要があります。取得した学位や単位が米国で取得したものと同じ価値があることを証明してもらうためです。手続きは各州会計士委員会が指定する、以下の学歴評価機関で行います。

NIES:ワシントン、アラスカ、モンタナ、ニューヨーク、グアム
FACS:グアム

学歴評価書類を送る際にかかる国際郵便等をすべて含めてかかる費用は約3万円くらいです。

③受験費用

出願手数料、日本会場手数料、受験料、テストセンターへの交通費や宿泊代といったものがかかってきます。

<出願手数料>
出願週によって費用は異なります。
また初めての出願か再出願によっても異なってきます。
初めての出願→約150~250ドルくらい(日本円で約20000~30000円)
再出願→1回ごとに100ドルくらい(日本円で約13000円くらい)

<日本会場手数料>
日本で受験する場合にかかる手数料です。1科目ごとに約370ドル(約48000円)かかります。
日本会場手数料は変更されることもあるのでNASBAのサイトでご確認ください。

<受験料>
受験料は全米統一料金です。1科目約220ドル(約28000円)かかります。
こちらも変更されることがあるので先ほど紹介したNASBAのサイトで最新のものを確認するようにしてください。
上記で説明したものプラス、テストセンターへの交通費や宿泊代を合わせて約30~40万円くらいはかかるでしょう。

独学でも合格できるのか

予備校に通って資格を取得するのが一般的ですが独学での取得も十分可能です。
独学での取得を目指している人は以下の項目に自分が当てはまるかどうか考えてみてください。

  • 英語力がある。もしくは英語に対して苦手意識がない
  • 学習のための時間を作り自発的に学習することができる
  • 自分に合った勉強法を理解しており、計画的に学習を進めることができる
  • 情報収集能力がある

当てはまる項目はありましたか?
なぜこの項目が独学での取得に関わってくるのか順番に説明していきます。

英語力がある。もしくは英語に対して苦手意識がない

試験問題はすべて英語で出題されるため英語力は必須となってきますよね。
どれくらいの英語力が必要かというと資格試験にリスニングはないためTOEICで500点取れる成績であれば十分と言われていますが将来的に英語を使う職に就きたいのであれば800点以上が望ましいでしょう。
英語があまり得意でない人はここでつまずいてしまうかもしれませんが試験問題に使われる英語はそれほどレベルの高いものではありませんので基礎学習を積み上げることである程度はカバーできるかと思います。試験問題に取り組んでいくうちに英語力も向上するので苦手意識さえなければ自分の英語力に対してそこまで不安に思う必要はないと思います。

学習のための時間を作り自発的に学習することができる

独学での学習の際、モチベーションの維持ってとても難しいですよね。
筆者自身、浪人生活を送っていたときは予備校に通わずバイトをしながら独学で受験勉強をしておりバイトをしながらのモチベーション維持はとても難しかったです。仕事や学校の時間とは別に学習の時間を作ることができる。そしてモチベーションを維持しながら自発的に勉強することができる。この2つができるか否かでだいぶ変わってくると思います。
通勤や通学時間といった細切れの時間を有効的に使えるくらいの勉強意識があるといいですね。

自分に合った勉強法を理解しており、計画的に学習を進めることができる

みなさんは自分の学習スタイル、勉強法を確立できていますか?
いろんな学習スタイルや勉強法がありますがいかに自分のライフスタイルに勉強を溶け込ませているかがポイントとなってくるでしょう。これは予備校通いの人にも共通することだと思います。
自分の学習スタイルを確立し、最短距離で合格を目指したいですね。

情報収集能力がある

米国公認会計士の取得に一番重要なことな情報収集です。なぜかというと試験問題の改定が頻繁に行われるため最新の情報をもとに学習を進めなければいけません。その上試験範囲も広く、解けなくても不合格にならない問題と解けないと不合格になる問題というものがあります。予備校に通っていればその問題の見極め方法だったりを教わることができますが独学だと自分で見極めなければいけません。
学習そのものを無駄にしないために情報収集が一番重要と言えます。

項目ごとに説明しましたが受験資格があり、独学でも取得が可能なのは学位要件、単位要件の条件をクリアしていることが大前提です。
予備校に通っていれば足りない単位の取得を含めた受験手続のサポートをしてくれますが独学では自分で行わなければなりません。日本語の教材も市販されていないことも独学のハードルを上げることになるでしょう。

独学での受験は可能ですしコストを安く抑えられるという最大のメリットがありますが学習や受験手続きの大変さを考慮して自分に合ったスタイルで資格取得を目指しましょう。

米国公認会計士の試験内容

試験は4科目(FAR・BEC・REG・AUD)で構成されており、解答形式は択一式・事例形式・記述式に分かれています。1科目ごとに受験することが可能です。
決まった日時に実施されるわけではなくいつ、どの科目から受けるのかを受験者が選択することができます。
年に1回しか行われない日本の公認会計士試験とは違って融通が利き挑戦しやすいですね。
注意しなければいけないのが18ヶ月以内に4科目すべてに合格することです。期限を過ぎると合格資格が取り消されてしまうため最初の1科目から18ヶ月以内に必ず合格しましょう。

各試験の時間は4時間でパソコンを使用して行われます。
試験内容について簡単に以下の表にまとめてみました。

科目名 試験内容
FAR Financial Accounting and Reporting(財務会計) 企業会計や政府の非営利組織会計
BFC Business Environment and Concepts(ビジネス) コーポレートガバナンスや経済学概論、IT概論、管理会計
REG Regulation(諸法規) 連邦税法やビジネス法、職業倫理
AUD Auditing and Attestation(監査・証明) 監査や職業倫理

膨大な試験範囲の中からランダムに出題され、各科目99点満点中75点以上で合格です。難易度の高い問題は出題されませんが過去問が非公開のため過去問そのものを使った対策ができません。そのため基礎知識がしっかり理解できているかどうかが合格のカギになってくるでしょう。問題数も多いため時間を測って一定数の問題を解くという対策も良いですね。

日本会場は東京(御茶ノ水)または大阪(中津)にあるプロメトリックテストセンターが試験会場となっております。
土日も含めて毎日受験可能であり予約して受験します。
空席は先着順で埋まっていくので受験票が手元に来たらなるべく早く予約しましょう。

合格発表は受験日から約3週間で発表され、NASBA(National Association of States Boards of Accountancy;全米州政府会計委員会)のWebサイトで確認することができます。もし不合格であった場合、期間を開けることなくすぐに再受験の申込みをすることができます。

米国公認会計士の年収

小動物看護士の給料

米国公認会計士の資格を持っていると日本国内でも海外でも活躍することができます。
実際にどれくらいの年収があるのでしょうか。
国内で勤務した場合の平均年収国外で勤務した場合の平均年収についてまとめてみました。

日本国内で勤務した場合

資格取得者の日本国内でのおもな就職先として考えられるのは以下の4つで職場ごとの平均年収。

  • 監査法人
  • コンサルティング会社
  • 外資系企業
  • 一般企業

年収はどの業界で働くかによって大きく変わってきます。

監査法人:500~600万円

監査法人の年収は法人の規模、法人内でのポジション、公認会計士としての業務経験などさまざまな要素から決まってきます。
新卒採用でも中途採用でも平均500~600万程度となっています。
監査法人では資格取得者の採用を積極化しており、米国公認会計士の資格のみの保有でも監査法人に就くことが可能です。
実際のところ監査法人の仕事についている人で公認会計士の資格はなく米国公認会計士の資格だけ保有している方も多いのです。

コンサルティング会社:500~800万円

企業規模などによって大きく異なってきますが年収800万円以上の年収を得ているケースもあります。
コンサルティング会社は資格の有無だけでなく学歴や職歴も重要視される傾向にあります。

外資系企業:500~700万円

外資系企業では経営企画部や経理部門へ配属されることが多いです。
初任給は500万円ほどで多くの日本企業の初任給より高水準となるのが一般的です。
マネージャー以上のポジションに昇進すれば1000万円以上の年収を得られることも可能ですが誰でもなれるというわけではなく厳しい競争を勝ち抜かなければいけません。

一般企業:400万~

外資系企業と同じように経営企画部や経理部門へ配属されることが多いです。
ただ一般企業では資格の保有が年収アップにつながることはあまりなく資格手当がつく程度が一般的です。
こちらもポジションによって年収が異なりマネージャー以上への昇進で年収900万円以上の可能性が出てきます。

アメリカで勤務した場合

日本と違い監査法人系企業の人気が高いアメリカででの平均年収は勤続年数や州の違いが大きくかかわってきます。
勤続年数1年未満の人の平均年収は約500万円で、6年以上となると約1500万円以上の収入が見込めます。
州の違いではワシントンやニューヨークといった主要都市ほど高くなる傾向にあります。

米国公認会計士のメリット

米国公認会計士の資格取得のメリットは以下のことがあげられます。

  • 活躍の場が広がりキャリアアップにつながる
  • 英語力が証明できる
  • ITの知識も学べる

資格取得の大きな魅力は国外へ活躍の場を広げられることではないでしょうか。
キャリアアップはもちろん海外企業への就職、転職に有利になります。
資格取得の勉強が英語力向上にもつながりますし一石二鳥ですよね。
そのうえITの基礎知識も試験範囲に入っているためIT知識も学べることもメリットの点だといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか
昨今では世界のあらゆる企業がグローバル化を進めており、日本国内でも国際的な事業を広げている企業がたくさんあります。
米国公認会計士の資格取得は国際的な会計知識と英語のスキルアップを兼ね備えており、今後さらなる活躍が期待されます。

将来的に外資系企業への転職就職を考えている人や会計士としてスキルアップを考えている人にとって米国公認会計士の資格は挑戦するのに価値の高い資格と言えるでしょう。

ぜひこの記事を参考に検討してみてください。