シスコ技術者認定はネットワーク機器の最大手Cisco systems社が行なっている民間資格です。IT未経験者向けの資格から世界的にも価値のある資格まで多くの認定試験を行なっています。
コチラの記事を読めばこのような事がわかるようになります。
- シスコ技術者認定の種類
- シスコ技術者認定の難易度
- シスコ技術者認定で人気の資格
- 独学で取得可能なレベルの資格
ぜひ最後までお読みいただき、資格取得を目指すかの判断材料にしてもらえればと思います。
シスコ技術者認定とは
シスコ技術者認定とは、ネットワーク機器の世界シェア率が50%以上あるCiscoシステムズ社が認定している民間資格です。
民間資格ではありますが、ネットワークの世界では最も有名な資格と言われていて、知名度の高い資格になります。
資格を取得することによりCisco社の製品に対する必要な設定の知識や技術を有していると証明することができます。
また、求人サイトでエンジニアの募集を見ていてもシスコ技術者認定の資格を有しているのが条件の場合も多いので、それだけ知名度も信用もある資格と言えます。
シスコ技術者認定の種類
シスコ技術者認定には5つの認定レベルがあり、さらに認定分野が9つに分かれています。
2022年3月現在『アーキテクト』の資格は廃止されたわけでは無いのですが新しい受験者を募集しておらず、今後シスコ技術者認定の試験を受ける場合エキスパートが取得できる最上級の資格になっています。
認定レベル | 認定分野 |
エントリー |
|
アソシエイト |
|
プロフェッショナル |
|
エキスパート |
|
アーキテクト |
|
また、アソシエイトとプロフェッショナルの間には『スペシャリスト』というレベルもあります。
プロフェッショナルレベルの資格を取得するには『コア試験』と『コンセントレーション試験』2つの試験に合格しなければならないのですが、そのどちらか片方の試験に合格した場合スペシャリストとして認定されます。
シスコ技術者認定で人気の資格CCNA
たくさんあるシスコ技術者認定資格で最も人気の資格がCCNAです。資格としては中級者レベルの資格で、ネットワークエンジニアにとっての登竜門と言われています。
受験者の方も一番多く、ネットワークエンジニアの求人情報でも必須資格として扱われていることが多いので、どの資格を取れば良いのか悩んでいる方にオススメの資格です。
さらに、2020年2月にシスコ技術者認定の資格に大幅な改定があり、ますますCCNAの資格は人気が集まっています。
以前の試験では『CCNA』と一言でいっても、さらに10分野に分けられていましたが今回の改定によりそれが一つにまとめられました。
旧試験分野 | 現試験分野(2022年3月現在) |
CCNA Cyber Ops | CCNA |
CCNA Cloud | |
CCNA Collaboration | |
CCNA Data Center | |
CCNA Industrial | |
CCNA Routing and Switching | |
CCNA Security | |
CCNA Service Provider | |
CCNA Wireless | |
CCDA |
そのためCCNAの資格で技術証明できる幅が広がり人気が高まったと考えられます。
シスコ技術者認定の2020年2月の改定について
2020年の2月に改定が行われ、以下の部分に変更点がありました。
- DevNet分野が新設された
- CCNA試験が集約された
- アソシエイトとプロフェッショナルレベルの取得に必要な前提条件が廃止された
- 教育オプションを全ての受講者が利用可能になった
- 20年以上のCCIE保持者の認定機関の変更
大きな変更ポイントは2つ『DevNetの新設』と『CCNA試験の集約』となります。
DevNet資格とは
2020年2月の改定から新設されたDevNetはソフトウェア開発やシステムの自動化などのスキル証明のために始まった資格で、アソシエイトレベルとプロフェッショナルレベルの2種類があります。
もともとはアプリケーション開発者のためにシスコ社製のネットワーク機器と他社製品の接続サポートをすることから始まった資格で、現在世界中で50万人以上の有資格者がいてアプリケーションの開発者が主に資格を持っています。
IT業界の発展により分担した作業が主流だったものがアプリケーションとネットワーク関連の両方をこなせる人が求められているため、エンジニアとしての価値を高めるためにもCCNA資格と共に資格に挑戦する方が増えています。
シスコ技術者認定には有効期限がある
シスコ技術者認定資格は、合格したその日から3年間の有効期限があります。資格を維持するためには再試験を受けなければならず、再試験を受けなければ資格は失効してしまうので注意してください。
シスコ技術者認定の資格は種類がたくさんあり3年という短いスパンで更新が必要になるので、全ての資格を取得するより仕事で必要な資格だけ取得するようにすればいいでしょう。
例えばセキュリティエンジニアとして活動しているのでしたら、セキュリティに特化した認定試験があるのでその資格だけ保持していれば役に立ちます。
再試験は合格から180日を過ぎれば受験可能になっています。
シスコ技術者認定の資格は就職に役立つ?
求人サイトの募集要項などを見てみると、CCNAやDev Netの資格を持っている方が優遇されていたり必須資格として記載されていたります。
有資格者には手当がついたり様々な場面で資格を取得していると役に立ちますので、シスコ技術者認定の資格は就職に役立つと言るでしょう。
就職や手当につながる資格はアソシエイトレベル以上の資格であるCCNAやDevNet Associateからになるので、エントリーレベルのCCTを持っていてもあまり有利になることはありません。
資格が役立つ就職先
シスコ技術者認定の資格が役立つ就職先はネットワークエンジニアとして活躍できる仕事先が主になります。
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- カスタマーエンジニア
- セキュリティーエンジニア
シスコ社製品を扱い運用している企業に対して資格を役立てることができます。
世界全体で50%以上のシェア率があり、日本でも48%の企業がシスコ社製の製品を使い運用しています。なおかつネットワークエンジニアは慢性的な人手不足が続いているため、資格を取得すれば就職先に困ることはあまりないでしょう。
シスコ技術者認定の資格は独学で取得可能?
シスコ技術者認定の資格には5段階のレベルがあります。
認定レベル | 認定分野 |
エントリー |
|
アソシエイト |
|
プロフェッショナル |
|
エキスパート |
|
アーキテクト |
|
この内、独学で合格が狙えると言われているのがアソシエイトレベル(中級者レベル)までと言われています。
プロフェッショナルレベル以上の資格はかなり高度な知識や技術が必要となり、独学での試験合格は厳しいでしょう。
シスコ技術者認定の難易度
CCNAの資格を例に出しますと1発合格はほとんど出来ず、2回目の試験でも合格率は約50%と言われています。すんなり合格するのは難しいので、根気よく学習して満遍なくネットワークに関する知識を身に付けることが必要です。
シスコ技術者認定資格のレベルは、
- エントリーレベル
- アソシエイトレベル
- プロフェッショナルレベル
- エキスパートレベル
- アーキテクトレベル(受付終了)
5段階のレベルがあります。エントリーレベルが初心者レベルで、最上級レベルがアーキテクトレベルとなります。
2022年3月現在アーキテクトレベルの認定試験は終了となっているため、今からシスコ技術者認定資格を取得するのでしたら最上級の資格はエキスパートレベルです。
①エントリーレベルの詳細
エントリーレベルの資格は、ネットワーク初心者の方に向けた資格となります。合格率は非公開のため正確な合格率はわかりませんが、比較的難易度は低くい資格です。
ネットワーク関連のことに対して未経験から始めた方の最初の腕試しにちょうどいい難易度となっています。
エントリーレベルの資格はCCT(Cisco Certifled Technican)の一種類ですが、認定試験はさらに細分化されています。
試験の種類は3つに分かれていて、
- CCT Collaboration
- CCT Data Center
- CCT Routing & Switching
このようになっておりますが2022年3月現在、日本語での試験が実施されているのはCCT Routing & Switchingのみになります。
Cisco社製品に対する知識や技術をまとめて学ぶのは難しいです。エントリーレベルの認定試験では焦点を分けることで、それぞれに必要な知識や技術を一点集中で学ぶことができます。
詳しい概要はコチラをクリックすると確認可能です。(全文英語)
エントリーレベルの試験費用などまとめ
エントリーレベルである資格
- CCT(Cisco Certifled Technican)
受験料 | 15,400円(税込) |
試験時間 | 90分 |
試験方法 | CBT方式(PC上での選択問題など) |
試験実施日 | 月曜〜土曜(日曜・祝日は除く) |
試験開催地 | 全国の各会場またはオンライン |
合格発表 | 試験終了後スグ |
ただし、オンラインでの試験には色々と事前に要件をクリアする必要があるのと、試験中は監督官の方にWEBカメラを使って監視されることになり、オンライン試験の場合監督官の方は日本語が話せません。
②アソシエイトレベルの詳細
未経験からIT関連の仕事へ就職転職を考えている方に人気の試験レベルです。求人サイトでも、採用条件として、このアソシエイトレベルの資格を保持していることが条件の場合が多く見られます。
独学で資格取得ができるのはアソシエイトレベルまでと言われていますので、コチラの資格を取得してネットワーク関連の会社などに就職し、技術や知識を深く身につけてからさらに上位のレベルに挑戦することになるでしょう。
アソシエイトレベルの試験ではネットワークエンジニアとしての基礎知識が総合的に出題され、2020年2月の改定によりさらに出題範囲が広くなりエントリーレベルよりも大きく難易度が上がりました。
アソシエイトレベルの資格は3つあり、
- CCNA(Cisco Certified Network Associate)
- DevNet Associate
- CyberOps Associate
それぞれの分野によって分かれています。
特にCCNAは2020年2月の改定により10分野あった試験が一つにまとめられました。そのため試験の難易度は上がりましたが、資格としての価値も上がりシスコ技術者認定の試験で一番の受験者数がいます。
DevNetの分野は同じく2020年2月の改定とともに新設された認定試験で、パソコン言語である※Pythonを使ったプログラミングによる自動化技術などに関する知識が出題範囲となっています。
Pythonとはプログラミング言語の一つで、AI(人工知能・機械学習)の開発などが直感的に扱えるため、同分野で注目を浴びている言語です。
CyberOpsの分野では、サイバーセキュリティーに関する知識や技術に関して出題されます。サイバーセキュリティに関する基礎知識や業務に伴う責務などが出題範囲です。
アソシエイトレベルの試験費用などまとめ
アソシエイトレベルの試験方法はエントリーレベルの試験と同じです。全国にある試験会場で試験を受けるか、オンラインで試験を受けるかの選択ができます。
- CCNA(Cisco Certified Network Associate)
- DevNet Associate
- CyberOps Associate
受験料 | 36,960円(税込) |
試験時間 | 120分 |
試験方法 | CBT方式(PC上での選択問題など) |
試験実施日 | 月曜〜土曜(日曜・祝日は除く) |
試験開催地 | 全国の各会場またはオンライン |
合格発表 | 試験終了後スグ |
③プロフェッショナルレベルの詳細
プロフェッショナルレベルの試験は、アソシエイトレベルよりさらに細かい内容が出題されます。合格率は非公開ですがおおよそ10%〜20%くらいの合格率と言われていて、かなり難しいです。
プロフェッショナルレベルの資格は3種類です。
- CCNP(Cisco Certified Network Professional)
- DevNet Professional
- CyberOps Professional
ですがCCNPの試験はそれぞれさらに細分化されいて、専門分野ごとに資格が独立しています。
それぞれの分野はコチラです。
CCNP |
|
DevNet Professional |
|
CyberOps Professional |
|
CCNAではCisco社製品に対する総合的な知識を問われるので、プロフェッショナルレベルのCCNPで総合知識にプラス専門知識を深めることで、より高度な知識と技術を学ぶことになります。
プロフェッショナルレベルの費用などまとめ
『シスコ技術者認定の種類』で少し触れましたが、プロフェッショナルレベルからは試験が2種類になり、どちらか1つを合格するとスペシャリストとして認定され、2つとも合格するとプロフェッショナル認定されます。
2つの試験というのが、
- コア試験
- コンセントレーション試験
この2種類になり、試験はそれぞれ分けて受験することになります。
コア試験では試験分野ごとの中心(核)となる試験で、それぞれの試験分野で必要な知識を問われます。
コンセントレーション試験では、各分野ごとにいくつか用意されている科目を自分で選択して受ける試験です。
どちらも合格すればプロフェッショナル認定されて、どちらか一方のみ合格でスペシャリスト認定されます。
コア試験受験料 | 49,280円(税込) |
コンセントレーション受験料 | 36,960円(税込) |
コア試験の試験時間 | 120分 |
コンセントレーション試験の試験時間 | 90分 |
試験方法 | CBT方式(PC上での選択問題など) |
試験実施日 | 月曜〜土曜(日曜・祝日は除く) |
試験開催地 | 全国の各会場またはオンライン |
合格発表 | 試験終了後スグ |
④エキスパートレベルの詳細
最後は2022年3月時点で受験できる最上級の資格エキスパートレベルについてご説明します。
ネットワークエンジニア系の資格でも最高峰の資格と言われていて、その難易度も最高峰です。合格率はおおよそ10%〜20%でかなりの高難易度なのがわかりますね。また、受験料も最高峰で約25万円ほど費用がかかります。
さらに厄介なのが、ラボ試験は全て英語になっており日本語での試験はありません。
さらに試験時間もとても長く実技試験である『ラボ試験』は、試験時間が8時間の試験となります。
現在行われているエキスパートレベルの試験は2つあり、
- CCIE
- CCDE
エキスパートレベルの試験も分野ごとに分かれていて細かい分野が、
CCIE |
|
CCDE |
|
このようになっており、CCDEは細分化されておらず大まかな試験内容は高度なネットワークの設計スキルなどが問われます。
CCIEは6つの分野に分かれていて、自分が取得したい資格をこの中から選ぶことになります。
エキスパートレベルの費用などまとめ
エキスパートレベルの試験では、今までのように全国にある試験場またはオンラインでコア試験を受けることができるのですが、ラボ試験に関しては筆記試験を合格してからでないと受験することができません。
エキスパートレベルの資格取得には2つの試験に合格する必要があり、
- コア試験
- ラボ試験
これら2つの試験に合格すればエキスパートレベルの資格保持者になれます。
コア試験に関しては、CCNPを保持しており同じ分野のCCIE試験を受験する場合は免除されるため、ラボ試験のみの受験でOKとなります。
コア試験は全国の各会場で受験可能ですがラボ試験に試験会場は決まっていて、シスコ東京本社でのみ試験を行なっています。
ラボ試験とは日本の場合シスコ東京本社でのみ行われる実技試験で、8時間という長時間行われる試験です。
また、ラボ試験は全て英語による試験になるので、言語学習も必要になります。
コア試験(同分野のCCNP取得で免除) | |
受験料 | 49,280円(税込) |
試験時間 | 120分 |
試験方法 | CBT方式(PC上での選択問題など) |
試験実施日 | 月曜〜土曜(日曜・祝日は除く) |
試験開催地 | 全国の各会場またはオンライン |
合格発表 | 試験終了後スグ |
次にラボ試験の詳細を見てみましょう。ラボ試験は今ままでの試験と違い、試験会場はシスコ東京本社のみになることと、受験料がアメリカドルによる支払いになるのが特徴です。
ラボ試験 | |
受験料 | 1,600ドル |
試験時間 | 8時間 |
試験方法 | 設計・プログラミング・システム自動化などの実技試験 |
試験実施日 | コチラのサイトで確認可能 |
試験開催地 | シスコ東京本社(東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー21階) |
合格発表 | 当日の夜に作成したCiscoアカウントに通知 |
ネットワークエンジニアとして最高峰の資格ですので、CCIE・CCDEの資格が取得できれば、世界で通用する立派なスキルとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?シスコ技術者認定のもつ将来性や可能性がお届けできていれば幸いです。
改めて、今回の記事でお伝えできたことは、
- シスコ技術者認定には5段階のレベルがある
- 就職転職にも役立つ価値ある資格
- ネットワークエンジニアとして最高峰の資格がある
- 未経験から独学で合格できるのはアソシエイトレベルまで
- 最高レベルの難易度は資格の価値とともに最高峰
となります。
今回の記事をお読みいただいたことにより、資格に興味を持っていた方のお力になっていれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。