AccessビジネスデータベースはITを得意とする人にとって将来自身の強みを活かせるおすすめの資格です。
データーベースやプログラミングの知識などを勉強でき、そこまで難易度も高くありません。
ここではAccessビジネスデータベース技能認定試験の概要から難易度と合格率、効果的な勉強方法までご紹介していきます。
Contents
Accessってなに?

Accessとは、Microsoftが提供する顧客情報や売上データ、住所録などをパソコンで管理できるデータベースソフトです。
データベースといってもさまざまな種類のソフトがあります。認知度の高いものでいうと以下のようなものです。
- Oracle(オラクル)
- MySQL(マイエスキューエル)
- kintone(キントーン)
- 楽々Webデータベース(ラクラクウェブデータベース)
- WaWaD-B(ワワ・ディービー)
Accessを使えば大量のデータを表にまとめ、検索条件や表示項目を設定して簡単に取り出すことができるようになります。
不正なデータの侵入を防いだり、複数の人が同時に使うこともできます。例えば会社の事務員にデータベース作成をお願いする時などにちょうどいいソフトです。
このようにデータベースはそれぞれの企業によって、特徴を活かしたものが使われています。
Accessに認定試験があるの?
Accessには、サーティファイが提供する「Accessビジネスデータベース技能認定試験」というものがあります。
サーティファイは正式名称「サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会」といい、コンピューターに特化した資格を手掛けている団体です。
Accessビジネスデータベース技能認定試験は、顧客情報や商品の管理を行うアプ「Access」に関する知識とスキルをみる試験となります。
受験資格は特にありませんので誰でも受験が可能です。
Accessビジネスデータベース技能認定試験には3つのレベル分けがあります。
難易度が易しい順にみていきます。
- 3級:初心者レベル・・Accessを使って簡単なデータベースを作ることができる
- 2級:実務に使えるレベル・・Accessを使ってビジネスにおけるデータベース処理ができる
- 1級:上級者レベル・・Accessを使った高度なデータベース処理ができ、業務を効率化できる
この3つのレベル分けによって、段階的にAccessによるデータベース管理ができるようになっていきます。
受験の際はどの級からでも受けることができます。
Accessビジネスデータベースの難易度と合格率

Accessビジネスデータベース技能認定試験の合格率は、1級〜3級合わせたものになりますが、88.5%(2020年)となっています。
2017年は86.2%、2019年は85.1%です。
9割近い合格率であることから、難易度は易しいといえます。
偏差値でみると、1級は42、2級は38です。
合格率と偏差値、どちらからみても合格しやすい試験といえるでしょう。
Accessビジネスデータベースの合格基準
Accessビジネスデータベース技能認定試験の合格基準は、得点率70%以上です。
1級と2級は、知識試験と実技試験のどちらも得点率70%以上である必要があります。
3級は実技試験のみですので、この得点を上回れば合格です。
特に知識問題は選択式ですので、得点を取りやすいでしょう。
Accessビジネスデータベース資格は履歴書に書ける?

Accessビジネスデータベース技能認定試験は、履歴書に書いてもそれほど有効ではありません。認知度が高くないことも理由の一つでしょう。
しかしExcelやWordと違って、Accessを使いこなせる人は少ないです。
直感だけでできるものではなく、データベースやプログラミングに関する知識も必要となってきます。IT関連の職種や顧客管理、商品管理などが必要な職場では有利になることもあります。
履歴書に書く際は、最低でも2級以上は取得したいところです。
企業によっては他のデータベースを使っている場合もありますが、Accessを学んでいればデータベースの基本が理解でき、他のソフトにも応用が効くでしょう。
Accessビジネスデータベースが活かせる職種

Accessビジネスデータベース技能認定試験は履歴書に書いてもそこまで有効ではないとお伝えしました。
では、この資格が活かせる職種とはどういったところでしょうか?
顧客管理や商品管理、売上データなどの情報管理が必要な職種ということになります。
特に以下のような職種では重宝します。
- 一般事務
- 財務
- マーケティング
- 営業
サービス業は顧客管理が必須ですし、どこで働くにも必要になるのがデータベース管理です。
転職なども考えて早いうちに取得することをおすすめします。
Accessビジネスデータベース資格がおすすめな人

Accessビジネスデータベース資格は、IT関連で働きたい方はもちろん、転職などで活用できる場合もあるため、これから社会に出ていく専門学生、大学生の方にはおすすめの資格です。
難易度の高い1級は、仕事の業務効率を上げたり、自身の強みを活かしたい社会人にも有効でしょう。
レベル別の主な対象者の目安は以下のようになっています。
- 3級:専門学生、大学生、短期大学生、社会人
- 2級:専門学生、大学生、短期大学生、社会人
- 1級:社会人
また扱う人の性格でいうと、データベースは大量の情報を整理する役目があります。
情報を適所に配置するため、日頃から整理整頓が得意な人に向いています。
Accessビジネスデータベースの申し込みと受験料

Accessビジネスデータベース技能認定試験は、個人受験と団体受験が選べます。
団体受験といっても1名から受験が可能です。団体受験の場合は試験1回につき手数料2,240円をサーティファイに支払う必要があります。
個人受験は全国621会場(2021年時点)の中から最寄りの会場にて試験日を調整できます。
こちらは手数料は必要ありません。
個人受験、団体受験共に申し込みや受験料の支払い方法、試験結果の受け取り方法などは会場によって異なりますのでご確認ください。
個人受験の申し込みの締め切りは、試験日の約1ヶ月前です。
受験料
Accessビジネスデータベース技能認定試験の受験料はこちらです。
- 1級:8,100円
- 2級:7,000円
- 3級:5,900円
受験料は、申し込みと一緒に受験会場で支払うようになります。(会場によって支払い方法が異なる場合があります)
受験当日から合格発表までの流れ
Accessビジネスデータベース技能認定試験の当日から合格発表までは、以下のような流れになります。
- 申し込みした会場で受験を行う
- 1ヶ月以内に結果が出る
- 合格の場合は認定証が送られる
①の受験の際は、身分証が必要になりますので忘れずに持参しましょう。会場ごとに指定の持ち物がある場合もあります。
②の結果の受け取り方法は、各会場で異なりますのでご確認ください。
③の認定証が送られたらすべての工程は終了です。
Accessビジネスデータベース技能認定試験の内容

Accessビジネスデータベース技能認定試験の内容は、知識試験と実技試験に分かれています。
それぞれの級で実施される内容と時間はこちらです。
- 1級:知識試験(15分)、実技試験(120分)
- 2級:知識試験(15分)、実技試験(90分)
- 3級:実技試験のみ(90分)
3級は実技のみとなっており、1級と2級は実技の時間が大きく違います。
知識試験の詳細は以下です。
- 内容:Accessやデータベースに関する知識
- 形式:選択問題
- 出題数:15問
- 時間:15分
実技試験はこちらです。
- 内容:Accessを使ったaccdbファイルの作成と更新
- 形式:問題がパソコン上に表示される。解答はハードディスクやUSBメモリに保存して提出。
- 出題数:1問(データベースファイルの構築)
- 時間:1級(120分)、2級(90分)、3級(90分)
これらすべてにおいて、Windows10、8.1、8、7が使われます。MAC OSは対応していません。
知識試験と実技試験を合わせた出題範囲は以下となります。
- 概要作業環境
- データベース
- テーブル
- データ
- クエリ
- リレーションシップ
- フォーム
- レポート
- フォームとレポートのセクション
- コントロール
- マクロ
- 式
1級と2級は上記の範囲共通です。出題範囲は同じでも、1級の方が高度な内容になります。
3級は上記からマクロやレポートの応用問題、関数などが省略されます。
Accessビジネスデータベースの効率的な勉強方法

Accessビジネスデータベースの勉強方法は、独学とスクールに通う方法があります。元々のパソコンやデータベースへの知識量により、やり方には個人差が出ます。
難易度が易しいということもあって独学でできそうな気がしますが、AccessはExcelなどのように直感で上手くなるものではありません。
テーブル、フォーム、レポート、クエリなどを上手に組み合わせないと思うようなデータベースは作れないのです。
そのためには一つ一つしっかり理解する必要があります。
実際に独学では「なんとなく使えるようにはなったが、まだまだわからないことが多い。」という声も聞かれるほどです。
スクールではなんでも質問でき、無駄なくスムーズに学習できる利点があります。
スクールの場合
スクールではWordやExcelに比べ講座が少なくなっていますが、大手パソコン教室のアビバがAccess講座を開講しています。
基礎・応用・活用の3種類があり、それぞれ期間は2ヶ月計12回です。サーティファイの認定試験対策講座も別で用意されています。
受講料は公式では公開されていませんが、2017年の時点で以下のようになっていました。
- 入学金:21,600円
- 受講料:56,376円
- 計77,976円
独学の場合
独学で勉強を行う場合は、とにかくAccessに慣れることが大切です。
参考書を見ながら実際にAccessを操作して覚えていきましょう。
参考書は、試験元のサーティファイが出しているものがあります。

2,200円(税込)※ダウンロード形式
問題集はこちらです。

Access®ビジネスデータベース 技能認定試験問題集【2019対応】
3,300円(税込)※ダウンロード形式
試験のサンプル問題もサーティファイに問い合わせれば無料でダウンロードできます。
とにかくAccessの操作を覚えたら、ひたすら問題を解いて知識を定着させましょう。
必要な勉強時間の目安は以下です。
- パソコン初心者から3級を受ける場合:39時間程度
- 3級から2級を受ける場合:32時間程度
- 2級から1級を受ける場合:23時間程度
どうして3級から2級の方が、2級から1級に比べて勉強時間が長いかというと、試験項目が増えるからです。
3級は実技のみでしたが、2級から知識試験が加わり出題範囲も広くなります。2級から1級は出題範囲は変わらず、内容が高度になるという仕組みです。その点で勉強時間に違いがあるようです。
まずはAccessの操作に慣れることが重要です。
まとめ
Accessビジネスデータベース技能認定試験は、働く上で必要なデータベースのスキルを身につけ、業務を効率化できる有意義な資格です。
この記事では以下のようなことをご紹介しました。
- Accessはデータベースの入門ソフト
- Accessビジネスデータベース技能認定試験はサーティファイが提供する民間資格
- Accessビジネスデータベース技能認定試験の合格率は9割近く
- Accessビジネスデータベース資格は履歴書に書いて有効か?
- Accessビジネスデータベース技能認定試験の内容
- Accessの効率的な勉強方法
専門的なスキルを必要とするAccessを使いこなせば、仕事の幅が広がるのは間違いありません。
IT関連を得意とする人はその強みを活かすため、ぜひ資格を取得してください。
