ITストラテジストとはIT技術を活用して企業の発展を進めるための戦略や企画を行い、それらの企画を実行するためにスタッフの統括など、他のIT系資格よりも高収入になることが多く将来性の高い資格です。
ITストラテジストは企業のCIO(最高情報責任者)やITコンサルタントなど、経営に直接関わることが多い上流工程の業務が主な仕事になるためIT技術も必要ですがそれ以外の法務に関する知識など幅広い知識が必要な資格になります。
今回の記事ではこのような疑問の解決に役立ちます。
- ITストラテジストってなに?
- ITストラテジストの資格はどんなメリットがあるの?
- 年収はどれくらいもらえるの?
- 試験はどのくらいの難易度なの?
- 独学でも合格できるの?
- 勉強方法は?
このような疑問を全てスッキリ解決できますので、ぜひ最後まで読んでいただき資格の取得に役立てていただければと思います。
Contents
ITストラテジストとは
ITストラテジストとは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営する情報処理技術者試験で認定している国家資格です。
それ以前は2つの試験に分かれていて、
- システムアナリスト試験
- 上級システムアドミニストレーター試験
これら2つの試験が統合されて廃止となったことで、現在のITストラテジスト試験が生まれました。
各レベルごと資格は以下の表のようになります。
試験レベル | 資格名 |
レベル1 | ITパスポート |
レベル2 | 基本情報技術者試験 |
情報セキュリティマネジメント | |
レベル3 | 応用情報技術者 |
レベル4 | ITストラテジスト |
システム監査技術者 | |
プロジェクトマネージャー | |
システムアーキテクト | |
ITサービスマネージャー | |
ネットワークスペシャリスト | |
データベーススペシャリスト | |
エンデベッドシステムスペシャリスト | |
情報処理安全確保支援士 |
また、ITストラテジストの資格はエンジニア系の資格というよりIT技術を活用して企業をより発展させるための戦略などを企画し、その戦略を実現するためにスタッフを先導して統括するのが主な役割です。
企業の経営方針を決める際の中心人物となるため、CIO(最高情報責任者)に任命されることも多く、他のITエンジニア系資格よりも高収入なことが多いのも特徴です。
ITストラテジストの主な仕事内容
ITストラテジストとしての主な仕事内容は、企業の経営方針に沿ってIT技術を活用した経営戦略を行うことが主になります。企業のCIO(最高情報責任者)やITコンサルタントして活動することになるでしょう。
具体的な仕事内容を挙げると、
- 現状の課題分析
- 経営戦略
- 事業計画
- 業務改善計画
- IT戦略の立案、実行
このような事業計画段階から仕事を行うことになります。
例えば、工場の現場の作業員が紙に書いていた作業を「IT機器を使って入力したい」というニーズがあったとします。
この場合、ただ「タブレットを買えばいい」ということではなく、具体的な戦力が必要です。
- どの部分をIT機器に置き換えるか?
- IT化する部署はどこか?
- 保存期間はどのくらいか?
- 紙と電子データは両方必要なのか?
- データはどのように送信するのか?
- IT化して作業効率は、どのくらい上がるのか?
このようなことを戦略的に考えていく必要があります。
例えば業務効率の向上を行いたい企業に対してITストラテジストが行う作業工程を例に挙げてみると、
- 企業の業務内容を現場にて観察したり社員の方から聞き取りを行い情報収集する
- 集めた情報をもとに課題や問題点を浮き彫りにしていく
- 企業の現状を把握し、導入すべきシステムや活用方法を検討する
- 業務効率の向上や経費削減などメリットのある戦略方法を企業に提案する
- 提案の可決後、人員などを用意してプロジェクトがスタートしたら業務完了
このように作業の中でも上流工程を行うのがITストラテジストとしての業務になります。
特にコンサルタントとして活動する場合は、ITに関する知識が少ない人へもわかりやすく説明できるコミュニケーション能力も必要です。
IT技術を活用して現状の問題点の調査や分析を行い今後の経営戦略を立案し計画を実行、進捗状況などを企業にフィードバックし、更なる業務改善が必要な場合は計画の見直しなども行うことになります。
ITストラテジスト取得のメリット
ITストラテジストを取得した場合様々なメリットを得られます。この資格は厚生労働省が認める専門職になり、誰もが知るようなすごい資格に並ぶほどの価値がある資格と言われているからです。
具体的な同列と言われる資格は、
- 医師
- 弁護士
- 税理士
- 公認会計士
- 薬剤師
- 歯科医師
- 獣医師
- 不動産鑑定士
これらのような資格と同等の資格です。こう言われるとITストラテジストの資格がどれほどの権威性を持っていて、社会的に重要度の高い資格か伝わるでしょうか?
そのほかにも日本ITストラテジスト協会(JISTA)に入会できるようになり、そこで情報交換や人脈形成ができるため、自身の更なるステップアップや場合によっては新しい顧客を紹介してもらえる可能性もあります。
IT業界が抱える様々な課題を解決すべく、明るく、楽しく、前向きに、相互研鑽と情報発信・啓蒙を進めている団体です。
DX戦略やIT戦略を企画立案・推進するためには、様々な知識・スキルが必要であり、当協会でも知識体系をSABOKとして公開しています。
また、各支部のコミュニティに参加することで、最新事例、最新技術、ITトレンド、キャリア等に関する情報収集及び情報発信を行うこともできます。
引用:JISTA
もちろん入会必須ではないので、JISTA加入にメリットを感じなければ無理に入会する必要なありません。
ITストラテジストの年収
ITストラテジストはIT系資格の中でもトップラスの資格です。そのため平均年収も他のIT系国家資格の中でも比較的高く、おおよそ670万円〜1,000万円以上となっています。
企業に勤めるか自分でITコンサルタント業を開業するかで大きく変わるので、初めは企業に勤めてスキルアップしてから開業するのが良いでしょう。
資格名 | 平均年収 |
ITパスポート | 380万円〜500万円 |
基本情報技術者試験 | 350万円〜600万円 |
応用情報技術者試験 | 450万円〜650万円 |
このように他のIT系資格より大幅に年収が高くなるので、ITに関するマネジメント系に進みたいと考えている方はITストラテジストの資格を取得すれば大きな収入につながります。
ちなみに日本の平均年収が大体450万円なのを考えると、年収はかなり多いのがわかるでしょう。
ITストラテジストの難易度
ITストラテジストの資格はIT系資格の中でも最高峰の資格であり、年収アップやそのほかにもたくさんのメリットがありますが、その分資格取得の難易度は非常に高く簡単には取得できません。
もちろんその難易度に見合った様々なメリットがあるため、挑戦する価値は十分にある資格です。
具体的な難易度を数値として表すと偏差値71で、この偏差値は以下の
- 外務省専門職員試験
- 国会議員政策担当秘書
- 家庭裁判所調査官補試験
このような試験よりも高い偏差値になっています。あまり聞かない試験を例にあげましたが、試験名からどれほど凄い試験かは想像できると思われますので説明は省かせていただきます。
ITストラテジストの合格率
ITストラテジストの合格率はIT系資格の中でもかなり低く、令和3年春期の合格率は15.3%でした。毎回14%〜15%の合格率のためかなり狭き門と言えるでしょう。
資格名 | 合格率 |
ITパスポート | 50%〜58% |
基本情報技術者 | 38%〜47% |
応用情報技術者 | 18%〜24% |
ITストラテジスト | 14%〜15% |
このようにITストラテジストは他の資格よりも難易度が高く、合格率も低いのがわかります。試験範囲も広いため付け焼き刃で試験に挑んでも合格することは不可能に近いでしょう。
ITストラテジスト試験の出題範囲と合格基準
ITストラテジストの試験は午前と午後に分かれていて、全部で4つの試験を1日で受けることになります。
- 午前試験Ⅰ
- 午前試験Ⅱ
- 午後試験Ⅰ
- 午後試験Ⅱ
このように別れており採点方法が午後試験Ⅱだけ採点方法が異なります。
また、午後試験Ⅰも同じように4つの問題のうち2つに解答する方法で試験を行います。
試験名 | 問題数 | 採点方法 | 合格基準 |
午前試験Ⅰ | 30問 | 100満点の素点方式配点 | 100点中60点以上で合格 |
午前試験Ⅱ | 25問 | 100満点の素点方式配点 | 100点中60点以上で合格 |
午後試験Ⅰ | 4問中2問解答 | 100満点の素点方式配点 | 100点中60点以上で合格 |
午後試験Ⅱ | 3問中1問解答 | A〜Dの評価方式 | 評価Aで合格 |
上記のような試験となっていて午前中の試験はどちらも選択式問題のため出題方法が同じですが、午後の試験では「記述式問題」と「論述式問題」で出題方法が異なってきますので、暗記などで挑んでも合格は難しいです。
自分で解答を考えなければならない問題もあるので「なぜこうなるのか?」という事を説明できるだけの知識が重要になります。
試験名 | 出題方法 |
午前試験Ⅰ | 4択の選択式問題 |
午前試験Ⅱ | 4択の選択式問題 |
午後試験Ⅰ | 記述式問題 |
午後試験Ⅱ | 論述式問題 |
特に午後試験Ⅱは論文のような試験のため問題制作者の意図を読み取り、その意図にそった解答を自分で考えて解答しなければなりません。
試験範囲を丸暗記しただけでは答えるのが難しい問題のため、しっかりと知識と技術を身につけてから試験に挑む必要があると言えるでしょう。
ITストラテジスト午前試験Ⅰの出題範囲
ITストラテジストの午前試験Ⅰは選択式問題となり、問題数は30問で構成されています。
大まかな出題範囲は、
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
これらの分野から出題され、さらに細かく分けるとかなりの範囲が出題範囲となります。また、午前試験Ⅰはそれぞれの出題範囲から出題される割合が決まっていて、
分野 | 出題割合 |
テクノロジ系 | 17問(57%) |
マネジメント系 | 5問(17%) |
ストラテジ系 | 8問(26%) |
このように出題数と割合が事前に把握できます。
どちらにせよ午前試験Ⅱではさらに広範囲で高度な内容が問われる試験となるので、全体的に満遍なく勉強する必要があります。
ITストラテジスト午前試験Ⅱの出題範囲
ITストラテジスト午前試験Ⅱでは午前試験Ⅰと同じく選択式問題となっており出題範囲もかぶるところがありますが、さらに高度な内容となるため難易度が高くなっています。
具体的な試験範囲は、
分野 | 出題範囲 |
テクノロジ系 | 技術要素 |
セキュリティ | |
ストラテジ系 | セステム戦略 |
システム企画 | |
経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
企業活動 | |
法務 |
このような専門的な知識を問われる試験となります。IT系の知識だけではなく法務に関する知識も問われるため、様々な知識を身につけておく必要があるでしょう。
インターネット上の取引の法律はまだまだ発展途上のため、現在はインターネットを介さない他の取引と同じ法律が適用されています。
そのためIT技術を駆使した企業戦略などで法に触れないように事前に対策しトラブルを防止することも必要になるのです。
ITストラテジスト午後試験Ⅰの出題範囲
ITストラテジストの午後試験Ⅰでは記述式問題が出題され、基本的に問題文にランダムで書かれている要求や問題点を読み解き体系的に整理して解答する方法になります。ここでは主に経営戦略や販売、生産管理に対する知識が必要です。
文章で説明するのは難しいため、コチラから令和3年度春季の問題に飛べるので、みていただけるとわかりやすいです。
そしてその問題文は主に
- 現状の説明
- 問題点
- ニーズ
- 課題
- 対策
これらの内容で構成されています。問題文の中にヒントがちりばめられているので、問題文をしっかりとよく読んでおけば、設問にも答えることができるでしょう。
ITストラテジスト午後試験Ⅱの出題範囲
ITストラテジスト午後試験Ⅱは論述式問題が出題され、今まで行われた3つの試験よりもかなり難易度が高い内容になります。
どのような問題が出てくるのかは当日ならなければわかりませんが、事前に論文を書くことを意識するのではなく「クライアントにこの企画を採用させるために必要なことはなんなのか?」といった考え方で試験対策を行うのがいいでしょう。
具体的な出題傾向はこちらの令和3年春期の過去問題をご覧いただければわかりやすいです。
そのためには事前に様々な知識と情報を集めて、企画を行いその結果どのような成果が得られるのかシミュレーションすることが重要でしょう。
また論文試験が初めての方は事前に論文を読んで、構成の仕方や組み立て方などのコツを掴んでおく必要もあります。
ITストラテジストの資格取得までの勉強時間
ITストラテジストの試験はIT系の資格で難易度最高峰の資格です。そのため相当な勉強時間が必要になることは事前に覚悟しておくべきでしょう。
IT業界で3年〜10年ほど働いているSEやITコンサルタントでも150〜200時間の勉強時間が目安になります。
未経験の場合、事前にどの程度の知識を持っているかで大きく勉強時間が変わってくるので正確な勉強時間がお伝えできません。
大きな振り幅がありますが、未経験の場合500〜1200時間くらいは必要と思っておけば間違い無いでしょう。
ITストラテジストは独学でも合格できる?
先に結論をお伝えしますと、ITストラテジストの試験は独学でも合格できます。ですが難易度の非常に高い資格であるため、相当な意志を持って試験に挑まなければ合格は難しいです。
ITに関する知識だけでなく経営に関する知識も豊富に必要なため、まずは「基本情報技術者」の資格試験でITに関する基本的なことを学んでおくのをお勧めします。
ITストラテジストの試験には受験者制限が無いので誰でも受験はできますが、あまりにも膨大な試験範囲に対する長時間の勉強は簡単には続けられません。
また、基本情報技術者の試験は200時間ほどの勉強時間で合格を目指せるので、自分の知識がどの程度身についたか確認するちょど良い判断材料にもなるでしょう。
今まで勉強したことが無駄ではなかった証明にもなりますし、自信にもつながるので未経験からITストラテジストを目指す場合、先に基本情報技術者で一旦力だめしをするのがお勧めです。
ITストラテジスト合格にお勧めの勉強方法
ITストラテジストを合格するには、4つの試験に合格しなければなりません。その中でも午後に行われる最後の試験である「午後試験Ⅱ」は論文形式の問題のため、選択式などとは違い自分の言葉を形にする必要があります。
ちなみに出題範囲と合格基準の章でもお伝えしましたが、試験はこのような形式なっています。
試験名 | 出題方法 |
午前試験Ⅰ | 4択の選択式問題 |
午前試験Ⅱ | 4択の選択式問題 |
午後試験Ⅰ | 記述式問題 |
午後試験Ⅱ | 論述式問題 |
午後に行われる試験はとにかく難易度が高いため、試験対策の時間をどれだけ午後試験に回せるかが重要です。
しかし午前試験Ⅰ・Ⅱは過去問からそのまま出題される割合が50%ほどあり、他にも文章構成が違うだけの同じような問題も多いので、通勤や通学中の隙間時間に過去問対策を行い出来るだけまとまった勉強時間を午後試験の対策に充てるようにしましょう。
午前試験をスムーズに学習するには出題されている内容を理解できないと難しいので、先ほどの「独学でも合格できる?」の章にも書いた通り、事前に基本情報技術者の資格はやはり取っておいた方が良いです。
ここからはそれぞれの試験に対する具体的な勉強方法をご紹介いたします。しかしながらこれはあくまで「私の場合」なので、参考程度にお考えいただければと思います。
ITストラテジスト午前試験Ⅰ・Ⅱの勉強方法
ITストラテジスト試験のⅠ・Ⅱは選択式の回答方式なので、とにかく過去問を解き問題文も含めて暗記してしまうことをお勧めしています。
理由は過去問からの出題率が50%くらいあるのと、ITストラテジストの試験は午後試験の難易度がかなり高いため、できる限り午後試験の対策に時間をかけるべきと私は考えているからです。
また、午前試験はⅠ・Ⅱともに応用情報技術者の試験と同じ試験問題が出るため、午前試験の対策は応用情報技術者試験の過去問に取り組めば良いです。
ITストラテジスト午前試験Ⅰ・Ⅱの対策にお勧めの過去問サイトが過去問道場さんになります。
この過去問道場では2005年春期〜最新の2022年春期の試験まで過去問が用意されていて、ランダムに出題したり解説文も書いてくれているのでとてもお勧めです。
その他の機能として、分野ごとに分けたり模擬試験形式での出題なども全て無料で行うことができるので、苦手分野を集中的に勉強するなんてこともできます。
とにかく隙間時間は全て午前試験の対策に使い、まとまった時間を午後試験のために使うくらいの気持ちで勉強すると良いでしょう。
ITストラテジスト午後試験Ⅰの勉強方法
ITストラテジスト午後試験Ⅰは、合格ラインまで持っていくまで時間がかかる可能性があります。
ポイントは「出題者がどんな点に注目してどのような回答をして欲しいのか?」これを意識して問題を解いていくことになります。
実際の現場でも同じですが誰もが自分と同じ知識量では無いので、相手が伝えたいことを理解するためには自分自身も理解しようとする必要があると私は考えています。
ストラテジストは戦略家という意味です。実際の現場で戦略を立てるには、まずクライアントがどのように企業を成長させたいのか理解しなければ始まりません。
そのことを意識して問題文を読み進めれば設問の意図も理解しやすくなるので、設問を読んでから答えを見つけるよりも問題文を読みながら、
- 現状の説明
- 問題点
- ニーズ
- 課題
- 対策
これらの内容を意識して紐付けしていくことで正解率を上げることが可能です。過去問をしっかりと読んで設問に進んでいくと、問題文の中に答えが書いてあるのがわかると思います。
上記の内容を意識しながら過去問を解き、どうしてこのような回答になるのか解説を読むことで、午後試験Ⅰの解答方法が身についていくでしょう。
そこで午後試験Ⅰ対策でお勧めしたいテキストとして「情報処置教科書 ITストラテジスト」をお勧めします。
こちらのテキストは、ITストラテジストの午後試験Ⅰ・Ⅱどちらにも力を入れたテキストです。午後試験Ⅰの問題文からキーポイントを見つけて回答を作成する方法を細かく解説してくれます。
細かい解説があるので解答のコツを掴みやすく、ITストラテジストの資格取得を目指す方々からかなり好評なテキストです。
ITストラテジスト午後試験Ⅱの勉強方法
ITストラテジスト午後試験Ⅱは今まで行なってきた試験とは違い論文をランクごとに評価しているため、ただ暗記して合格できるものではありません。
そういった方の場合まずは論文の書き方から学ぶ必要もあるため、午後試験Ⅱの試験対策は出来るだけ早い段階から行う必要があります。
ある程度論文の構成に対するコツが掴めてきたら、次は試験で使用する論文ネタを準備して出題者の意図に沿った質の良い論文を作れるようになることに集中しましょう。
過去問に沿って自分が用意したネタを使い問題を解いていくと、不足している知識などが見えてきたり、逆に共通して利用できる点も見えてきます。
具体的な数字や指標を用いると論文としての説得力を高めることができます。具体性を高めるためには多くのデータを収集する必要があるので、実際の業務で触れたことのある内容をネタにするのがお勧めです。
さらに大企業のシステムなどをネタにしようとすると、データや数字の裏付けで苦労する可能性もありネタの準備に時間がかかってしまう可能性もありますので、その点を含めても身近なものをネタにするのはおすすめです。
論文の構成方法やどうしてもネタが見つからない場合は「ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集」を参考にしてみるのが良いでしょう。
こちらの参考書は参考論文も多く掲載されており、その他にも試験対策として役立つ
- 採点者がどこを見ているのか
- 論文の設計ポイント
- 試験時間内に論文を書き切るコツ
このような試験に必要な情報も細かく説明してくれており、テキストを持っておけば論文への自信につながるはずです。
自分の体験を当てはめながら論文を書く方法も記載されているため、その方法を活用して論文の構成方法と質の高い論文を書けるようにと導いてくれます。
いろいろな過去問に自分の体験を当てはめて論文を書く練習ができるので、さらに必要な知識や共通で使える情報などがどんどん蓄積されて、より良い質の論文を書けるようになるでしょう。
ITストラテジスト試験の受験方法
ITストラテジストの試験を受けるには4月に行われる年に1度の試験を受験しなければならないため、しっかりと試験までの勉強スケジュールを組んでおきましょう。
試験の申し込みはインターネットから受付ていて、それ以外の申し込み方法はありませんので注意してください。申し込みは情報処理推進機構(IPA)が行なっているので、申し込み期間中に受験申し込みを済ませれば試験の予約は完了です。
試験会場に関しては申し込み後、試験の約2週間前に受験票が発送されるのでそちらに記載された試験会場での受験になります。
受験申し込み方法や支払い方法などを以下の表にまとめましたのでご確認ください。
試験日 | 毎年4月頃 |
申し込み期間 | 1月中旬〜2月上旬 |
申し込み方法 | IPAのホームページ |
試験方法 | 筆記試験 |
試験会場 | 全国の試験会場 |
受験料 | 7,500円 |
支払い方法 |
|
合格発表 | 試験終了から約1ヶ月後 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?ITストラテジストの資格は難易度がとても高いですが、その分取得後は大きなメリットが得られることがお伝えできたかなと思います。
- ITストラテジストはIT系資格で最難関の国家資格
- ITストラテジストは医師や弁護士と同じくらい貴重な資格
- ITストラテジストは他のIT系資格より大きな年収を見込める
- ITストラテジストは4つの試験に合格しなければならない
- ITストラテジストの合格率は15%前後と難易度はかなり高いが独学可能
- 3年以上の業務経験があっても150時間以上の勉強時間が必要
このようなことをお伝えできたかなと思います。今回の記事が今後ITストラテジストの資格取得を目指す方に役立ってくれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。