愛犬飼育管理士の資格は簡単そうにみえますが、メリットが非常に大きく、ペット業界で働きたい人は、持っていて損のない資格です。
ここでは愛犬飼育管理士の資格について、取得方法から仕事内容、最大のメリットをお伝えしていきます。
Contents
愛犬飼育管理士の資格とは?
愛犬飼育管理士の資格は、一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(以下JKC)が発行する、「動物愛護及び管理に関する法律」に基づいて設定された資格です。
正式名称を「JKC愛犬飼育管理士」といいます。
内容としては「動物の命を大切にする考え方を広め、飼い犬に対する衛生面の向上と、良い指導者を育成するために設けられた資格」となっています。
動物販売責任者とは、動物と関わる仕事の開業を考えている方に、絶対に必要なものです。
これについては、後ほど詳しく説明します。
愛犬飼育管理士の資格は、以下の手順で取得できます。
- 講習会を受講(約4時間)
- 講習会後に行われる筆記試験に合格(試験時間 約1時間)
- JKC主催「愛犬クラブ」に入会・資格登録
これを見ていただくとわかるように、講座から試験まで半日かからないのです。
あとは合格発表を待つだけとなります。
愛犬飼育管理士の受験内容
愛犬飼育管理士の資格は、半日かからずに取得ができるとお伝えしました。
申し込みから資格取得までの流れをお伝えしていきます。
- 申し込み・受験料入金
- 講習会・試験(当日のスケジュール)
- 合格発表
それでは一つずつみていきましょう。
①申し込み・受験料の入金
愛犬飼育管理士の試験では、申込時に一緒に受験料を支払うシステムです。
郵送、またはWebから申し込みができます。
申し込みの際は、受験会場を指定して、会場ごとの用紙に記入する必要があります。
2022年は、以下の3箇所で開催されます。( )は試験日です。
- 福岡会場(2022年2月17日)
- 鹿児島会場(2022年5月17日)
- 大阪会場(2022年6月1日)
試験会場、日程は今後追加される可能性もありますので、JKCのHPを確認してください。
会場が決まったら、会場ごとに申し込みをします。
ここで注意していただきたいことは、申し込み期間の短さです。
郵送の場合
申込書と受験料を同封し、現金書留でJKCまで申し込みます。
ここで入金する金額は、講座と試験の料金を合わせた14,300円です。
過去に講座を受けたことがある方は、講座は免除となりますので、試験料のみ7,000円を支払います。
申し込み期間は、受付開始日当日です。その日に定員になってしまうと、1日で受付が終了してしまいます。定員に達しなかった場合は、次の日も受付を行いますが、郵送の場合、それを確認してから送っても到着は2〜3日後です。
郵送で送る場合は、到着日をよく確認しておきましょう。
Web申し込みの場合
JKCのHPにある希望の受験会場欄から申し込みができます。
記入内容や、受験料はもちろん郵送の場合と同じです。
受験料の支払いはクレジットカードのみとなります。
Webの申し込み期間は、受付開始日当日の午前10時から午後5時30分までの間です。
郵送・Web共に当日定員に達しなかった場合は、翌日午前10時から受付が開始されます。
申し込み期日に注意して、記入漏れや金額を間違えたりしないよう、慎重に申し込みをしてください。
②講習会・試験(当日のスケジュール)
当日は9時30分受付開始です。
10時から講座が始りますので、早めに到着できるように準備しましょう。
10時〜15時までは、講座を受講します。(途中休憩あり)
その後15時30分から60分間で試験が行われます。
試験内容は、選択問題(五者択一)で25問です。
試験が終わればその日は終了となります。
③合格発表
試験後、3週間以内に合格通知が届きます。
通知が届いたら、そこから3週間以内に資格登録手続きをしなければなりません。
その際、以下の料金が発生します。
- 資格登録料:3,200円
- JKC愛犬クラブ入会金:2,000円
- JKC愛犬クラブ年会費(1年分):4,000円
手続きは、全国のJKC愛犬クラブ窓口で行うことができます。
詳しい場所に関しては、電話で問い合わせをするようになりますので、JKCの入会案内をご覧ください。
入会してからさらに3週間後、資格認定証が届きます。
これですべての工程は終了です。
愛犬飼育管理士の講座テキストを紹介
講座で使うテキストは、JKCが発行している愛犬飼育管理士教本です。
A4の大きさで全218ページ、価格は1,500(税込)となります。
もし事前に予習したいという方は、先に購入することもできますが、当日配布されるものと2重に支払いをすることになり、効率的ではありません。
焦る気持ちは分かりますが、しっかりと講座を聞いていれば合格できる試験ですので、コンディションを整えて当日に挑んでください。
愛犬飼育管理士の難易度と合格率
愛犬飼育管理士の合格率は、約8割を超えています。
受講者の9割近くが合格することもあるほどです。
理由は、試験直前の講座で習った内容が出題されること。一般的な社会常識や、基本的な動物に関しての知識、テキストの内容など、講座をしっかり聞いていれば合格できる内容だからです。
しかも講座では、試験問題のポイントをわかりやすく教えてくれます。
このように愛犬飼育管理士の資格は非常にやさしい試験といえるでしょう。
愛犬飼育管理士に通信はある?
愛犬飼育管理士に通信はありません。
必ずJKC指定の講座と試験を受ける必要があります。
しかし、愛犬飼育管理士の資格以外でペットに関わる通信講座を受講していた場合、習ったことは試験でも活かせるでしょう。
実際に、愛犬飼育管理士の資格は半日かからずに受験できますので、自身の勉強の傍ら、愛犬飼育管理士の資格にも挑戦する、ということは大いに可能です。
通信で習った内容がペットに関わるものであれば、講座の内容もより理解できるでしょう。
愛犬飼育管理士の最大のメリット、動物販売責任者とは?
愛犬飼育管理士の最大のメリットは、この資格が動物販売責任者の登録要件に入っていることです。(自治体によっては、登録要件に入っていない場合もあります)
動物販売責任者とは、資格ではありません。その業種に必要な知識と経験のある責任者を立てるという意味です。
ペットショップやペットシッター、トリマー、ドッグトレーナーなど、動物を扱う職種において、必ず1人以上配置しなければいけない規則になっています。
動物販売責任者の登録を行うには、以下の4つの条件のうち、どれかを満たす必要があります。このうち愛犬飼育管理士が適用されるのは、4つ目に条件です。
- 獣医師の免許を取得していること
- 愛玩動物看護師の免許を取得していること(令和元年に制定された新設の国家資格です)
- 次の(ア)(イ)どちらも満たしていること:(ア)種別に関わる半年以上の実務経験、または実務経験と同等の1年間以上の飼養経験+(イ)種別に関わる知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
- 上記(ア)にプラスして次の要件を満たしていること:公平性・専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること
つまり愛犬飼育管理士の資格を取得し、開業したい職種と同じ職種の現場で、半年以上勤務することで動物販売責任者に登録できるのです。
今の段階では、愛犬飼育管理士の資格を取得することが、最短で登録できる方法となるでしょう。
動物販売責任者は、開業する場合の必須条件となるため、愛犬飼育管理士の資格を取得することは、最大のメリットとなるのです。
愛犬飼育管理士が活かせる仕事内容は?
愛犬飼育管理士の資格を取得すると、どのような仕事ができるのでしょうか?
飼育に関わる資格ですので、以下のような職種になります。
- ペットショップ
- ペットシッター
- 動物愛護活動
また、先ほど紹介したように、動物販売責任者の登録要件に入っていることから、独立・開業の道がひらけます。
例えば、飼育以外にも販売業、トレーナーという仕事もありますね。
- ペットショップ
- ペットサロン
- ペットホテル
- 動物カフェ
- ブリーダー
- ドッグトレーナー・訓練士
このように、愛犬飼育管理士の資格単体で考えるより、動物販売責任者に登録できることで、可能性は広がるといえます。
まとめ
愛犬飼育管理士の資格は、半日という短い時間で、費用をおさえて取得できます。
さらに動物販売責任者の登録にも役立つ、メリットのある資格です。
ここでは、愛犬飼育管理士の資格について以下の内容をお伝えしました。
- 愛犬飼育管理士はジャパンケンネルクラブが発行する資格
- 講座から試験まで半日もかからない
- 愛犬飼育管理士の合格率は8割〜9割
- 愛犬飼育管理士は、動物販売責任者の登録要件に入っている
開業を目指す方には、これ以上ないお得な資格です。
働きながらでも十分取得できます。
自身の目標のために、ぜひ愛犬飼育管理士の資格取得を考えてみてください。