昨今、特に女性の人気が高い医療事務ですが、全くの未経験から医療事務として勤務するのはなかなか高いハードルです。そんな時に、医療保険士を取得しておくと就職にも有利に働きます。
この記事では、医療保険士がどんな資格なのか・資格を取得するにはどうしたら良いかなど解説していきます。
医療保険士ってどんな資格?
医療保険士とは、医療保険や医療事務に関する基礎知識や、実際に医療事務として働くときに役立つ能力を身に付けることを目的とした資格です。
医療事務とは
病院やクリニックなどの医療機関で、受付業務や会計業務・診療請求業務などを行う仕事です。また、入退院に必要な書類のやり取りや費用の説明、施設の利用案内なども行うため、医療の知識も必要となっています。
医療事務は資格なしで就くことができますが、未経験であれば医療保険士を持っていることで面接でもアドバンテージになりますね。
また、予め医療保険士の資格を取得していることで、専門的なワードが出てきても滞りなく円滑に業務を進めることができます。さらに医療保険士として学んだことを活かして、医師の専門的な話を患者さんにわかりやすく伝えることも可能です。
医療の知識を持っていることで、就職した後もスタッフや患者さんから信頼を得ることができます。
医療保険士は独学で可能?
医療保険士は独学で取得はできません。医療保険学院が主催している資格で、「医療事務講座」という講座を学ぶことが必須となります。
医療事務講座一例
企業名 | 学習方法 | 価格 |
たのまな | eラーニング | 39,200円 |
ユーキャン | 通信講座 | 44,000円 |
ソラスト | 通信講座 | 44,800円 |
資格のキャリカレ | 通信講座 | 41,900円 |
医療保険学院 | 通信講座 | 46,000円 |
ニチイ | 通学コース | 55,100円 |
※2022年10月現在
どの講座も価格は同じくらいですが、質問回数に制限があったり、修了後に求人紹介までしてくれる講座もあるようです。ご自身にあったものをさがしてみましょう。
医療保険士は、短期間で必要なスキルを学ぶことができます。今から医療事務を目指す人は、実際仕事に就いたときのためにも受講しておいて損はないですね。
医療保険士の合格率
医療保険士の合格率は公表されていませんが、比較的合格しやすい資格と言われています。
また医療保険士の試験は毎月開催されているので、一度失敗したとしてもすぐにチャンスはやってきます。
医療保険士試験実施概要
試験目的 | 医療保険や医療事務に関する基礎知識・実務能力を身に付ける |
試験日程 試験実施方法 |
在宅試験
学院検定委員会から試験問題を郵送。 |
主催団体 | 医療保険学院
〒113-0034 |
試験は郵送で問題が送付され、在宅で実施となります。試験会場で制限時間がある中で行う他の試験と比べて、試験を解く時間に余裕がありますし、慣れた環境で出来るので最大限の力を発揮できそうですね。
また、教材・資料を閲覧しながらの実施がOKとされています。教材を見ても自身で計算などしなければいけない箇所もあるため一概には言えませんが、受けやすい資格と言えます。
医療保険士試験の出題内容
医療保険士の試験は、講座で学んだ医療事務に関する基礎知識が幅広く出題され、基礎編と実習編に分かれています。実際の出題内容は下記です。
基礎編:医療保険制度・基本診療・投薬・注射・処置・各種療法・手術・検査・画像診断・入院
実習編:レセプト作成
レセプトは毎回行っていては業務が煩雑になってしまうので、1ヶ月毎にまとめて作成します。多くの患者さんのカルテを見ながら計算していくので、集中力が必要です。
また、勤務している病院やクリニックの収入を大きく支える仕事なので、ミスのない正確な計算・スキルが求めらる業務です。
もちろん医療事務講座でしっかりと学ぶことはできるので、資格試験に向けてマスターしていきましょう!
医療保険士取得後の給料
企業に勤めていて資格を取得すると、給料がUPするということがありますが、医療保険士は給料に反映されません。
また、医療事務の求人票を見ていくと「医療保険士」の資格を保有していることが採用条件になっているところはほとんどありません。「医療事務に関する知識」や「医療事務の実務経験者」などを優遇すると記載してあるところが多いようです。
しかし未経験ですと、医療事務の知識はありませんよね。医療事務を目指すのであれば”医療保険士”と履歴書に記載することで有利になることは確かです。いち早く医療事務として働き、就職後も即戦力になるのであれば、取得しておきましょう!
勤務先別平均給与一覧
大学病院 | 249万円 |
総合病院 | 230万円~ |
個人病院・クリニック | 201万円~ |
こちらは平均ですが、勤務する都道府県によっても変わってきます。就職活動前に、お住まいの地域の病院の待遇を確認してみましょう。
”医療”とつくと特殊な印象を受けますが、正社員であれば待遇は一般企業と変わりはありません。安心して資格取得し、医療事務を目指していきましょう!
医療保険士以外の医療事務の資格
実は、医療事務には医療保険士以外にもたくさんの資格があります。医療事務の資格はさまざまな民間団体が主催するものが多く存在します。
レセプト作成などの診療報酬請求事務に特化した資格で、医療事務資格の中でも難易度は高めです
医療事務に必要な総合的な能力(受付業務・患者接遇・レセプト業務など)が把握できているか審査・証明するための試験で、受験者も多く人気の資格です
レセプト作成スキルを含む診療報酬に関する高度な知識を確認する試験で、年3回試験実施しています
医療事務や医療事務PCの基礎知識、PC実務に必要なスキルがあるか判断する試験です
医療保険士は給与に反映されることはほぼありませんが、他の資格は給与UPする可能性もあります。資格の難易度はあがりますが、キャリアアップ・ステップアップとして、今後も視野に入れてみるのもいいかもしれません。
まとめ
- 医療保険士は、医療事務関する基礎知識の資格
- 独学では取得できず、通信講座等学んだ後受験可能
- 平均的に4ヶ月程度で取得可能
- 在宅受験・テキスト閲覧OKなので比較的受験しやすい
- 医療事務は他資格もあるが、まずは基本の医療保険士がオススメ
医療保険士は、数多くある医療事務の資格の中でも、基本の資格です。未経験で医療事務として勤務できたとしても、専門用語がわからない・レセプト作成ができない、となると自分自身も業務が進まず焦ってしまいますよね。
医療保険士を取得しておけば、就職後現場に出た時に抵抗なく仕事を行うことができます。
医療事務への第一歩として、医療保険士資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。