日本語ワープロ検定は、所定の時間の中でどれだけ速くタイピングできるかが試される試験です。
例えば2級であれば10分間に500文字以上タイピングする必要があります。
ミスがあると減点されるため、正確性も問われます。
細かいレベル分けにより、ステップアップしていく楽しさが味わえる検定試験です。
ここでは、日本語ワープロ検定の仕組みや試験内容、合格基準、難易度などをご紹介していきます。
Contents
日本語ワープロ検定とは?
日本語ワープロ検定とは、ワープロソフトを使った日本語入力の速さと文書作成能力をはかる検定試験です。
日本情報処理検定協会が主催する民間資格で、情報化社会においてコンピューターを活用する技術の向上を目的としています。
ソフトは試験問題に出てくるお題(表やグラフの挿入、改行、余白など)がすべて網羅できれば特に指定はないとされていますが、試験で使われるのはMicrosoftのWordと思ってよいでしょう。
日本語ワープロ検定は、難易度によって階級が7つに分かれています。
それぞれの階級が示す受験対象者は以下です。
- 4級(ビギナー向け):文字入力の基本ができる方
- 3級(初級者向け):基礎的な文字入力と文書作成ができる方
- 準2級(準中級者向け)
- 2級(中級者向け):正確な文字入力と一般的な文書作成ができる方
- 準1級(準上級者向け)
- 1級(上級者向け):速い文字入力と一般的な文書作成ができる方
- 初段(プロフェッショナル向け):速くて正確な文字入力と、難度の高い文書作成ができる方
受験の際は、難易度の低い方から順に受験しなければいけないということはありません。
受験資格は決められていないので、好きな級から受験できます。
どの級の試験にも入力速度と文書作成の2つの分野があり、同一級の同一分野でなければ併願が可能です。
この2種類の試験内容によって、タイピング技術の向上と、文書作成技術を身につけることができます。
日本語ワープロ検定の正式名称!履歴書にはどう書く?
日本語ワープロ検定の正式名称は「日本語ワープロ検定試験」です。
履歴書に書く場合は次のようにしましょう。
「日本情報処理検定協会主催 日本語ワープロ検定試験 ◯級合格」
ただ、残念ながらこの資格を持っていることで就職が有利になる、ということはないようです。
日本語ワープロ検定は、自身のタイピング練習の目標設定や、文書作成をスムーズに行う訓練に活用するといいですね。
ワープロ検定の正式名称
日本で実施されているワープロ検定には、団体の違う民間資格が多数あります。
それぞれに正式名称が違いますので、主な例をみてみましょう。
- 全国経理教育協会(全経)主催:文書処理能力検定
- 日本商工会議所(日商)主催:日商PC検定(旧:日本語文書処理技能検定)
- 日本情報処理検定協会(日検)主催:日本語ワープロ検定試験
- 全国商業高等学校協会(全商)主催:ビジネス文書実務検定(旧:ワープロ実務検定)
- JBS全国学校連盟主催:JBS日本語ワープロ技能資格検定試験
自分が受けた検定は、正式名称まで把握しておきましょう。
日本語ワープロ検定の申し込みについて
日本語ワープロ検定に申し込む際は、個人受験か団体受験か選ぶことができます。
個人受験は協会が指定している会場の中から指定して申し込みます。
団体は大学や企業、パソコン教室などで受験者が10名以上の際に開催ができます。
日程や会場についても違いがありますのでここで説明していきます。
日本語ワープロ検定の試験日と願書受付期間
個人受験の場合は年4回試験が行われます。(2022年3月現在)
※( )は大体の願書受付期間です。詳細な日程はその都度ご確認ください。
- 7月第1日曜日(5月下旬〜6月上旬)
- 10月第2日曜日(9月上旬〜中旬)
- 12月第1日曜日(10月下旬〜11月中旬)
- 2月第3日曜日(1月中旬〜下旬)
団体受験は試験会場によって日程が決められます。
その点で個人受験とは違い、試験日の変更が可能です。さらには検定に関する説明会や問題集の発行なども行われます。
日本語ワープロ検定試験の受験会場(個人受験の方)
個人受験の方は、以下の開催地から会場を選ぶことができます。
- 北海道・東北:札幌市、旭川市、北見市、むつ市、南相馬市、福島県矢吹町
- 関東甲信越:東京都鉾田市、さいたま市
- 東海・北陸:島田市、伊東市、三重県菰野町、豊川市、安城市、名古屋市
- 関西:彦根市、京都市、大阪市、姫路市、豊岡市、尻崎市
- 中国・四国:広島市
- 九州・沖縄:北九州市、大分市、延岡市、那覇市、沖縄県金武市
上記の会場も受験日によっては開催がない場合もありますので、確認して申し込みをしてください。
日本語ワープロ検定の受験料
日本語ワープロ検定の受験料は、申し込み後に送られてくる「請求書兼払込取扱票」と現金を持って、試験当日に会場で支払いとなります。
この仕組みは個人受験も団体受験も同じです。
各級による受験料の詳細は以下です。
- 4級:1,500円
- 3級:2,000円
- 準2級:2,300円
- 2級:2,500円
- 準1級:2,800円
- 1級:3,000円
- 初段:5,000円
日本語ワープロ検定は、資格試験の中でも非常に安い料金設定であることが魅力といえるでしょう。
日本語ワープロ検定の試験内容と時間
日本語ワープロ検定の試験内容は、どの級も入力速度と文書作成の2つの分野があります。
どちらも制限時間内でどれだけ速く、かつ正確にできるかが鍵となります。
入力するのはAサイズの用紙で1行40字のものです。
それでは2つの分野の試験内容をみていきましょう。
検定試験の入力速度
入力速度の試験内容は、10分間で指定された文書(手書きの一般文書やビジネス文書)の打ち込みを行います。
速度だけでなく、正確性が求められる試験で、ミスをすると採点において減字となります。
級によって定められた合格文字数に達するとクリアです。
例えば、4級と3級はミス1つにつき1文字減、準2級と2級は3文字減、準1級と1級、そして初段は5文字減となります。
ミスには誤字・脱字はもちろん、文字の大きさやフォント、行間などがあります。
検定試験の文書作成
文書作成の試験は、試験時間20分間で問題のビジネス文書と同じものをワープロで作成します。※初段のみ問題が2題出されます。
それぞれの級の内容は以下です。
- 4級:手書き問題からビジネス文書作成
- 3級・準2級・2級:手書きからビジネス文書作成(表を含む)
- 準1級・1級:手書き問題からビジネス文書作成(表・地図を含む)
- 初段:文書作成①手書き問題からビジネス文書作成(表・地図を含む) 文書作成②文字の処理、グラフ挿入、図形挿入、表内データの処理(計算・並べ替え)、段組みなど
こちらは点数で合否を判定します。
すべての級で共通して1つのミスに対して2点減点となります。
入力速度と同じく、誤字・脱字はもちろん、改行の仕方や書式設定、余白など細かな規定があります。
日本語ワープロ検定の合格基準
日本語ワープロ検定の試験内容は、入力速度と文書作成の2種類です。
ここではそれぞれの合格基準をみていきます。
入力速度の合格基準はこちらです。
- 4級:200文字以上
- 3級:300文字以上
- 準2級:400文字以上
- 2級:500文字以上
- 準1級:600文字以上
- 1級:700文字以上
- 初段:800文字以上
それぞれの級により合格ラインの文字数が違います。
一方、文書作成の合格基準はすべての級で80点以上です。
初段は2つの文書作成問題がありますが、それぞれで80点以上を取ることが必要となります。
入力速度と文書作成、どちらも合格基準を満たして受験級が合格となる仕組みです。
日本語ワープロ検定の難易度と合格率
日本語ワープロ検定の合格率は各級により、おおよそ以下のようになっています。
- 4級:約80〜90%
- 3級:約75%
- 準2級:約60%
- 2級:約50%
- 準1級:約50%
- 1級:40〜50%
- 初段:33〜50%
このように初段に近づくにつれ合格率も下がっていることから、難易度は上がることがわかります。
ですが、一般的なビジネス検定と比べると合格率50%以上となることが多いことから、難易度は低いといえるでしょう。
日本語ワープロ検定の効果的な試験対策とは?
日本語ワープロ検定を攻略する上で重要なポイントを3つご紹介します。
- タイピング練習
- Wordの使い方を習得
- 時間を測りながら過去問を解く
①のタイピング練習は、速さと正確さが求められる日本語ワープロ試験において必要不可欠です。
タイピングは、指が思ったキーに自然に動くまで繰り返し練習します。
おすすめの練習方法は、ホームポジションを意識してアイウエオ順など決まった順序をひたすら繰り返すことです。
毎回ホームポジションに戻すことで、打ち間違いを確実に減らすことができます。
修正をできるだけ少なくすることが、試験合格に近づくということです。
②Wordの使い方を習得
日本語ワープロ検定の試験要項をみると、使用するソフトは「指示に対応できる機能を有するソフト」となっています。
ソフトのバージョンも問われませんが、ほとんどの方がWordソフトを使用しています。
基本的な機能や使い方をしっかりとマスターしましょう。
③過去問を解く
日本語ワープロ検定は、毎回細かな文言は違うものの問題形式が似通っています。
日本情報処理検定協会のHPでは過去の試験問題が公開されていますので、問題集と合わせてひたすら解くことが有効です。
そうすることで問題のパターンがわかり、打ち込み速度が格段に上がります。
慣れてきたら時間をはかって合格基準に達しているか確認しましょう。
この3つの対策を行えば、確実に合格に近づきます。
まとめ
日本語ワープロ検定の仕組みや合格率、難易度についてお伝えしてきました。
詳しくはこちらです。
- 日本語ワープロ検定は7つの級に分かれている
- 日本語ワープロ検定には正式名称がある
- 日本語ワープロ検定は個人受験と団体受験が選べる
- 試験内容は、どの級も入力速度と文書作成の2つの分野がある
- 日本語ワープロ検定の試験の合格基準
- 日本語ワープロ検定の合格率と難易度
日本語ワープロ検定を受験すると、情報化社会のなかで役立つパソコンの入力や文書作成技術が身につきます。
仕事や趣味のチラシ作成など活かせる場面は多いでしょう。
ぜひ日本語ワープロ検定に挑戦して、ご自身のパソコン技術を高めていってください。