大学でゼミを持っている私は、就職活動している学生たちから様々な相談を受けます。
とくに、就職の氷河期と言われている今、さまざまな相談が多いです。
下記は最近の生徒達からの相談例です。
- 自分のやりたいことにあった、会社への就職ができない
- 会社が見つかって面接まで行けても、どういった事ができるか、色々聞かれる
- また、多様性、柔軟性など聞かれる、どう身につけたら良いか
- ITであれば、何の資格が一番良いですか?
- やりたいこと、なりたい職業がわからない、でも生活していくには仕事をしないといけない、何からどうしたら良いですか?
生徒によって相談は多岐に渡ります。
ある程度、難易度が高くても、向上心があったり、高いスキルを持つように意識していれば、希望通りの就職活動がいっている生徒は少なくありません。
難しいですか?
企業もコストカットしたり、良い人材を確保するということに、苦戦していることも聞きます。
向上心を持って勉強する姿勢があると、大丈夫だと思いますよ。
ITの資格はある程度ハイレベルを持っていれば、後々も役に立つのではないか思ったんです。
今日は、これから何かITの資格を取りたいという友人も連れてきました。
私からもP検のことは少し教えてますので、P検1級について、詳しく教えてもらえますか?
生徒たちの疑問、相談を受けていると、ITパスポート、サーティファイなどの基礎的なパソコン資格、P検、それぞれの目的、適正にあったものを選択しています。
ここでは、多くの生徒たちが選択している、P検について説明していきますね。
特に3級は持っているけど、1級はどう違う?という事もよく耳にします。
2級までと1級、どう違うのでしょう。
特に1級の難易度はとても高いと言われていますが、挑戦してる方々もいます。
どのような内容なのか、私たちと一緒に、深掘りしてみましょう。
Contents
P検とは何?どんな検定?
P検とは、ICTプロフィシエンシー検定試験の略で、ICTを活用する能力を総合的に測る試験になります。
P検は民間資格であり、下記が主催、実施及び運営になります。
主催団体:ICTプロフィシエンシー検定協会
実施・運営:株式会社ベネッセコーポレーション
ICTについて
ICTとは、Information and Communication Technologyの略で、パソコンやモバイル端末、ネットワークそれぞれの情報を共有し、活用する事を指します。
今までは、ITという言葉が良く使われていました。
ITとは、Internet Technologyの略になります。
そのITにCommunicationを入れたのが、ICT(Internet Communication Techonology)になります。
インターネットやパソコンを用いての、下記のことができる情報伝達技術です。
- 正しい知識とモラルを持って、インターネットやメールの活用ができる
- 速いタイピングを用いて迅速なコミニュケーションが取れるか
- 文書作成などのワープロ機能や、表計算ソフトを使いこなせているか
P検においては、ビジネスシーンで要求されるICT活用に関する知識や技能、問題解決力などの実践力を測ることができます。
ワープロとは
パソコンで文書を作成するソフトのことで、「ワードプロセッサ」の略になります。
機能は、画面上に文字を並べるだけでなく、思い通りにレイアウトができ、簡単な作図、作表することができます。
日本では、マイクロソフトの「ワード」とジャストシステムの「一太郎」が有名です。
P検でいうワープロというのは、Wordの実務能力、知識と思っていいわね。
ただ、P検とワープロ検定は異なるので、そこは間違えないように注意してね。
P検とワープロ検定の違いとは
ワープロがWordになってきたという事は、この記事を読んでくださっている方は、わかったと思いますが、ワープロ検定とP検(パソコン検定)とは、異なります。
P検とは
- タイピングテスト
- コンピュータ知識
- OS
ネットワーク - 情報モラルと情報セキュリティ
- ワープロ(Word)、表計算(Excel)
準2級以上だと下記が追加されます。
- プレゼンテーション(PowerPoint))
- 1級はインフラ整備なども含まれます。
上記の知識や技能を証明する総合的な資格試験です。
パソコン検定の資格を取得していると、パソコンに関する基本的な知識を持ち、
WordやExcelが(準2級以上だとPowerPointも)使えるというスキルの証明になります。
ワープロ検定とは
- タイピング速度
- 文書作成の技能
上記を証明する資格試験です。
使うのはWordのみになります。
2級までの資格はこれらを網羅しているの。
でも1級は全くレベルが異なり、これらは全て備わっている上に、インフラ整備やICTプロフィシエンシーを活用した問題解決の問題が記述式で求められる。難易度は高いわね。
プロフィシエンシーについて
プロフィシエンシーとは、知識や技能を現実の状況で発揮する能力の事を言います。
P検は、ICTを利用する立場の人や、エンドユーザーを対象とした試験になります。
ICTやパソコンについて広く浅く知りたいという人には、特にオススメの資格です。
P検取得が向いている方
どのような方が、P検資格試験へ向いているのでしょうか。
また、どのような方がP検1級取得が向いているのでしょうか。
ご自身の方向性や、今後身につけたいスキルを考え参考にしてみてください。
P検が向いている方
- 初心者、または今から何かITの資格を取りたい方
- 初心者で何から勉強したら良いのかわからない方
- 在宅ワークが可能な就職を希望する方
P検1級が向いている方
- エンジニアまでは無理だけど、企業の中でも管理者を目指したい方
- すでにP検2級は持っていて自分自身の更なるスキルアップを目指したい方
- 企業の中で管理者として業者へインフラ整備や、やり取りなどをするためにスキルや資格を身につけたい方
ITパスポートと、このP検と何が違うんですか?
P検とITパスポートとの違いとは
大学生や、就職活動をしている人なら良く聞くITパスポート。
同じITスキルの資格試験のようですが、目的や内容など違いがあります。
比べてみましょう。
P検 | ITパスポート | |
目的 | 総合的なICT能力を問う資格試験 | ITに関する基礎的な知識力が証明可能 |
資格 | 民間資格 | 国家資格 |
試験制度 | ワープロ・表計算ソフトウェアを 用いた実技試験がある |
実技試験がなく、ITパスポート試験の上位資格である「情報処理技術者試験」になってから知識の活用が必要となる記述式の問題が出題 |
試験範囲 | それぞれの級によって下記の内容が異なります。 ・情報セキュリティ管理 ・企業内ネットワーク構築 ・業務プロセス改革 ・ICTを活用した問題解決 ・コンピューター知識 ・情報つうしんネットワーク ・情報モラルと情報セキュリティ ・プレゼンテーション ・総合実技(ワープロと表計算) ・タイピングP検定がビジネスの現場において基本的なICTを身につけられる内容 |
・ストラジ系(企業と法務、経営戦略、システム戦略) ・マネジメント系(開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント) ・テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素)アプリやソフトウェアを開発する現場に焦点を当てた技術職の濃い内容 |
費用 | 5級:無料 4級:3,000円 3級:5,100円 準2級:5,100円 2級:6,100円 1級:10,000円 |
5,700円 |
受験方法 | CBT方式 (パソコンによる試験) | |
合格率 | 2級:70% 1級:約30% |
40~50% |
この2つの試験は、どちらもITに関する試験ですが、似ているようで大きく異なる資格試験です。
どちらを取るのが良いのか、悩んだ方は下記を参考にしてください。
- ITパスポートは、IT関連で働きたい人には欠かせない知識を問う国家資格試験。
- P検は、パソコンを使って仕事や作業をする人にとって実用的な試験。
(ただし、就職や転職に有利になるのは、3級以上になるようです。)
私は実務的な証明になる方が、色々使えるかなと思ったので、やはりP検が良いですね。
順番よくじゃないとダメですか?それで先生に聞きたかったんです。
P検1級の受験資格とは?タイピングはある?
P検は、5級から始まり4級から、準2級までは受験資格など不要です。
自信があれば、4級からでも3級からでも受験が可能です。
1級においては2級合格者が受験可能となります。
応募要項などにも記載ありますが、1級の受験資格は2級合格ということです。
下記が、4級から2級までの試験範囲になります。
※5級は初期の資格になり、内容も初歩的かつ無料のため、ここでは内容をはぶきます。
出題範囲
- タイピング
- コンピューター知識
- 情報通信ネットワーク
- 情報モラルと情報セキュリティ
- ICTを活用した問題解決
- ワープロ・表計算
試験時間
- 4級はタイピング5分、ワープロと表計算がそれぞれ10分、残りの科目が25分、合計50分
- 3級は合計が60分
- 準2級は合計60分
- 2級では合計70分(選択式で30分、実技:プレゼンテーション10分、総合実技30分、タイピングがなくなる)
1級の試験範囲は下記、4つの中から10問が出題され、試験時間は90分になります。
また2級までの1つを選択するようなマーク式ではなく、40~150文字程度の論述式問題になります。
- 情報セキュリティ管理
- 企業内ネットワーク構築
- 業務プロセス改革
- ICTを活用した問題解決
※1級にはタイピングの内容がありません
でも1級はさらに、2級までの知識プラス、問題解決能力を問われる。
短い文章で的確に表現するというのは、理解していないとできないわよね?
それで3級から飛んで1級という受験ができないんですね。
とくに1級は管理者としての要素がふんだんに盛り込まれいるから全く内容が違うし、出題形式も異なる。
タイピングやWord、Excelは高いレベルを持った上で、更にということを求められるの。
2級から順番にということには、意味があるのよ。
1級のみが2級合格ということが受験資格になりますが、今から受験を考えている皆さんは、ICTプロフィシエンシー検定協会のサイトから、模擬問題などをダウンロードしてみてください。
その上で、問題なく行けそうだなという級から確実に始めるのをオススメします。
もちろん時間のある方は、その確実な級より1つ上の級から始めるのをオススメします。
ICTプロフィシエンシー検定協会https://www.pken.com/tool/moshi.html
P検1級で身につけられるスキルとは
1級は、ICTの総合的かつレベルの高いスキルを身につけられます。
ICTとはレベルの高いITのスキルや技術を使って、情報伝達技術のことです。
情報セキュリティ管理
- リスクマネージメントに対して具体的な対応をとることができる
- 人と組織を管理・指導することができる
- 情報セキュリティに関わる文書管理ができる
企業内ネットワーク構築
- 企業内ネットワークの設計ができる
- 企業内ネットワークを構築することができる
業務プロセス改善
- 情報を共有し活用することができる
- コンプライアンスとはどのようなものか説明できる
- 品質マネージメントとはどのようなものか説明できる
- ICTを活用した業務プロセスの改善ができる
ICTを活用した問題解決
- 問題解決のために収集した情報をもとに、論理的な思考により、物の選択や行為の決定を行うことができる
- 与えられた情報を活用し、自らの環境の下で必要な物の選択や行為の決定を、ICTの化学的な理解のものとで行うことができる
- 新しい体系、方式、組織などを設計する際、対象のモデル化と設計の手順化を行うことができる
- 既存の体系、方式、組織の中の課題を見つけ、関連諸要素を解析することで解決策を立案することができる
- トラブル、割り込み、予定からの逸脱、第三者の誤りの修復などへの対応や予防措置を講じることができる
受験者にとってひとつ、安心できることは、各カテゴリーごとの足切りがないため、苦手な部分は得意な範囲でカバーすることが可能です。
今まで述べてきたP検1級について、少しまとめてみます。
受験料 | 10,000円 (税込み) |
---|---|
受験資格 | 2級合格者 |
試験日 | 随時、会場によるので公式HPより確認してください |
試験場所 | 全国の認定試験会場、公式HPより確認してください |
合格水準 | 1000点中700点以上が合格 |
ICTプロフィシエンシー検定協会では、無料で模擬問題などがダウンロードできます。
1級も、簡易的ではありますが、どんな感じで問題が出題されるのか、イメージは掴めると思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
ICTプロフィシエンシー検定協会 模擬問題ダウンロード
https://www.pken.com/tool/moshi.html
P検1級は独学でも合格可能か
簡単には到達できないと言われているP検1級ではありますが、独学でも受験、合格している方々もいます。
仕事をしながら、バイトをしながら、それぞれのスタイルに合わせて選択されてください。
出題内容も論述問題になる事から、もし的確なアドバイスが必要になる場合は、講座の受講も考慮に入れてくださいね。
P検1級を独学で勉強する場合
出題形式の簡易的な流れは、上記のページでも記載した通り、協会のページからダウンロードして見ることができます。
しかし、1級は公式サイトでも模擬問題は公開されておらず、過去問題もありません。
下記のテキストのみとなります。
このテキストはICTプロフィシエンシー検定協会の公式サイトからも購入可能ですが、Amazonからも購入できます。
費用:6,600円 (協会も、Amazonも同一の料金になります。)
ICTプロフィシエンシー検定協会
https://www.pken.com/personal/text/index.html
P検1級、対策講座を受講する
P検は、Pass制度により認定された、スクールで対策講座も受講できます。
Pass制度とは
P検資格試験制度は、下記が定められた制度です。
理念:「公平」「公正」「中立」
妥当性・信頼性を確保した質の高い「資格試験」を提供するために定められた制度です。
PASS認定校制度(=PASS制度)とは、認定された試験会場(PASS認定校)において厳正な試験が実施されるよう、その認定基準・実施手順などを定めた制度です。
〜PASS認定校とは~
PASS(P-ken Authorization Special School)認定校とは、PASS制度により認定された「P検実施が可能な試験会場」です。
「P検対策講座」も行う、優れたICT教育機関のことを指します。
PASS認定校
https://pken-kaijo.benesse.ne.jp/
全国にPASS認定校があります。
- 講座の受講した方のみが受験する事ができる認定校
- 受験のみが可能な認定校
認定校によって異なりますので、お住まいに利便性の良い会場と、スケジュールに合わせてご参考にしてくださいね。
進学や就職に有利であることから、中学校や高校などでもPASS制度を取り入れ、生徒が通学する学校で取得する事もできるようになりました。
このサイトを読んでくださっている生徒さんたちは、是非在学中に挑戦してみてくださいね。
全国にあるPASS制度を取り入れている中学校、高校、大学
https://www.pken.com/school/operation/i.html#a_08
P検受験から合格までの大まかな流れ
P検は独学、スクール、通学中の学校など様々な方法で勉強されますので、ここでは受験から合格までの大まかな流れをお伝えします。
⒈認定試験会場(PASS認定校)を選択する
試験会場に直接、・電話・メールで予約をする(受験級を伝えて、受験日時を決める)
- 予約の際に、受験を希望するアプリケーションのバージョンにて受験が可能か必確認してください。
- 受験料に関する支払い方法を確認してください。
⒉試験当日
下記必ず忘れないようにしてください。
- 本人確認:顔写真付き身分証明書(運転免許証/パスポート)
- 受験料:会場によって受験料の支払い方法が異なりますので予約の際に要確認。
- 1級受験の方は、2級以上の合格IDをメモしてお持ちください。
⒊合否結果
1級、2級は後日判定のため、合否結果は約2週間後に送付されます。

企業の現場における管理者としての高いスキル
これまでの日本は、企業の中でも役割が分担され、それぞれの職種の人が自分の仕事だけをしてきた時代。
ところが、とても展開の速いインターネット、人材不足、管理者不足、速い時代の流れ、グローバル社会になった今、世界に追いつく為にもスピード感が重視されてきています。
一人がそれぞれの仕事だけをするのではなく、複合的なスキル、問題解決能力を持ち合わせ、スピード感を持つ。
そこにプラス、高いコミュニケーション能力。
コロナ禍となり在宅勤務が多い中、例えオンラインでもコミニュケーションの重要性が必須となっています。
例えば、下記です。
- インターネット一つをとっても、その情報技術動向や現場のICT利活用状態を把握し、人材育成できる。
- 把握した上で、投資効果(目的と費用)を考慮し、情報インフラ、システムなどの企画、導入、開発の統括的役割や企業内外における調整や意見交換ができる。
- 自社の企業活動や業務プロセスをモデル化し、ビジネス価値を向上させるためのICT活用を社内で推進できる。
- 社員それぞれのスキル、適正を考慮し、チーム編成、業務編成ができる。
これらの高いスキルは、人材=人財となります。
今後の企業が発展するには、人材不足ではなく、人財不足だという管理者も少なくはありません。
まとめ
今、さまざまなITに関する資格試験があるので、何かレベルアップしよう、勉強をしようと思った時に、何が有利なのか、何が良いのか迷いますよね。
でも個人的に思うことは、ひとつの資格、勉強を深掘りすると、できる事が増え、更に足りないこと、やりたい方向性もまた新たに見える時も多いです。
特に高いスキルを徹底して身につけることは、簡単なことではありませんが、身につけることで得られることは多いです。
ぜひ、挑戦してみてくださいね。
下記についてご案内しました。
- P検とは何?どんな検定?
- P検取得が向いている方
- P検1級の受験資格とは
- P検1級で身につけられるスキルとは
- P検1級は独学でも合格可能か
- 企業の現場における管理者としての高いスキル
- まとめ
あなたの未来にお役に立てばうれしいです🍀Ō–Ō🍀