現代社会において、需要が増している職業に心理カウンセラーがあります。
実際に心理カウンセラーはどうしたらなれるのでしょうか?
働く場所はどのようなところがあるのでしょう?
様々な心理カウンセラーの資格から、難易度、合格率、資格取得後のキャリア形成まで!余すところなくご紹介します。
Contents
心理カウンセラーとはどんなお仕事?
心理カウンセラーとは、人の悩みを聞き、アドバイスする人のこと。
と思われがちですが、これは誤解です。
正確には、人の話を聞き、その人自身が自分自身の力で解決策を見い出せるよう援助する人のことをいいます。
ここで大切なのは、解決のアドバイスはしないということです。
心理カウンセラーは適切に共感し、相槌を打ち、質問をしたりしますが、直接的に解決策を話すようなことはしません。
自ら語らず、相手の気づきを待つのですから、時間がかかります。根気が必要な理由がよくわかりますね。
心理カウンセラーになるには自己分析から!
心理カウンセラーというと、相手の話をよく聞き、相手の立場になって考えるというように、相手に目がいきがちです。
自己を理解することはとても大切なことです。
心理カウンセラーも人間ですから、長所があり、短所があり、考え方の癖もあるでしょう。
心の闇だって、多かれ少なかれ誰もがもっているものです。
自らにあるかもしれないマイナス面に目を向けず、人の悩みを解決できると思ったら大間違いです。
自分は不完全な人間である。
これを肝に銘じ、自身の不完全な部分がカウンセリングに影響しないよう十分注意を払う必要があります。
自己分析テストなどを使って、自己を理解していく方法もいいでしょう。
人の深いところに触れるということは、常に自分と向き合うことでもあるのです。
心理カウンセラーの志望動機から見る!利点と注意点
心理カウンセラーを志す人は、自身の学生時代の体験や、家族や身近な人に精神疾患を患った人がいたなど、何かしら動機があることがほとんどです。
お給料の為などという人はまずいないでしょう。
人の心に寄り添う心理カウンセラーにとって、志望動機は仕事を続ける原動力にもなります。
しかし動機によって気付きにくい問題点もあるのです。
以下の表を参考に、自身を見つめ直してください。
志望動機 | 利点 | 注意点 |
自身が精神的不調を煩い、心理カウンセラーの存在に助けられた経験がある。 | 患者の心理を理解しやすい。
共感できる。 |
自身の経験と関連づけてしまい、客観的に聞くことが難しい。 |
家族や恋人、親友など身近な人が精神疾患を患った。 | 助けたい想いが強い。 | 身近な人と同じ病状の患者に感情移入しやすい。 |
震災でのボランティア経験から、心に傷を追う人の手助けがしたいと思った。 | 心理カウンセラーに必要な資質である。 | 無意識の中に自身のボランティア精神やスキルを誇示したいという自己中心的な感情がある場合があり、多くの人はそのことに気づかない。 |
このように心理カウンセラーを目指す動機から注意すべき点まで、自身にも起こりうることとして捉え、対策を行うことが大切です。
心理カウンセラーにはどうしたらなれるの?
心理カウンセラーと一概に言っても、関連する資格はおよそ15種類以上あります。
これらの心理カウンセラーの資格には、受験資格が定められているものがほとんどです。
受験資格を満たすには大きく分けて2通りのやり方があります。
- 大学で学び、資格を取る方法
- 専門学校や通信で学び、資格を取る方法
心理カウンセラーの受験資格には、大学院卒業が条件となっているものから、通信講座を受講するだけのものまで様々です。
それだけ違いがありますので、資格によって取得後のキャリアや仕事内容も大きく変わってくることを頭に入れておきましょう。
これから心理カウンセラーを目指す方は、以下のことを自身の将来像と合わせて考えてみてください。
- 誰に向けて(年齢層や学生か働く人かなど)心理カウンセリングを行いたいか?
- どんな職場で心理カウンセリングを行いたいか?
- 心理カウンセリングを仕事にしたいのか?趣味として自身のケアに役立てたいのか?
- 自身の状況に合わせて取れる資格は何か?(これから大学に進学するのか?働きながら資格取得したいのか?など)
心理カウンセラーはその道筋が多岐に渡るがゆえ、何がしたいかを明確にしておくことが大切です。
まずはどのような資格があるのか知るところから始めましょう。
心理カウンセラーにはどんな資格があるの?
心理カウンセラーにはおよそ15種類以上の資格があるとお伝えしました。
難易度やその後の進路も様々ですので、ここではメジャーな資格やお勧めの資格を中心に、どのようなものがあるのか紹介していきます。
心理カウンセラーを本気で仕事にしたい方
- 公認心理士(唯一の国家資格)
- 臨床心理士(知名度抜群の民間資格)
こちらは大学や大学院で学ぶことが受験の条件になっていますので、時間をかけて仕事にしていきたい方にお勧めの資格です。
信頼度や認知度も抜群ですので、どちらかの資格を持っていれば、働く場所はかなり広がるでしょう。
教育機関で心理カウンセラーを仕事にしたい方
- 学校心理士
- 臨床発達心理士
- 心理判定員
教育機関では不登校やいじめ、ひきこもりの問題が深刻化しています。
その分需要は高く、やりがいのある仕事でしょう。
働く人に向けた雇用やキャリア形成の手助けがしたい方
- 産業カウンセラー
- キャリアコンサルタント
- NLTプラクティショナー資格
終身雇用が通例だった昭和から、現代では働き方も多様化しています。
その中でキャリア形成に悩む人も多くいるでしょう。
また職場内での人間関係やストレスに対する相談にのることもあります。
(自身のストレスケアなど)気軽に心理カウンセリングを学びたい方
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- メンタルケア心理士
この3つは通信で取れる資格ですので、自身のペースで学習でき、費用も安いのが特徴です。心理カウンセラー入門というところでしょう。
このように心理カウンセラーはその多様性から、様々なレベルで心理カウンセリングのスキルを活かす方法が用意されています。
心理カウンセラーの給料を知っておこう
心理カウンセラーになりたいという方は、給料目的でないことが多いです。
しかし仕事にする以上は、どの程度の収入なのか知っておくことは重要でしょう。
始めに言えることは、儲かる職業ではないことです。
保険の効かないカウンセリングはなかなか頻繁に受けられるものではありません。
病院で働く場合は大体年収300〜500万円です。
学校や企業、産業カウンセラーとして働く場合では300〜400万円ほどでしょう。
このように平均的な給料体制であることを分かっていてください。
心理カウンセラー2大資格!国家資格vs認知度抜群の民間資格
この2大資格は、タイトル通り他の資格とは一線を画しています。
どちらかの資格を持っていれば、かなり仕事の幅が広がるでしょう。
国家資格と民間資格である2大資格の違いまでをご紹介します!
唯一の国家資格!公認心理士
公認心理士の資格ができ、第1回目の試験が開催されたのは2018年9月のことです。
かなり最近になってできた資格ということがお分かりいただけるでしょう。
今までは民間資格や公的資格など、資格自体のレベルが様々であったため、一定の基準で判断することができませんでした。
公認心理士の資格を取得できれば、信頼度は抜群!
病院やリハビリテーション施設などの医療関係や、学校などの教育現場など、多方面で活躍できるでしょう。
試験を受けるためには以下のどちらかが必要になります。
- 大学か大学院で必要科目を修了する
- 大学で必要科目を修了したあと、厚生労働省・文部科学省指定の施設で2年以上の実務経験を積む
通信では受験資格すら満たせない為、ハードルは高いです。
ですが心理カウンセラーを一生の仕事にしたい方は、ぜひ公認心理士資格をお勧めします。
また公認心理士は名称独占資格となっています。他の資格では「心理士」という名称を使ってはいけないことになっています。ただし心理カウンセラーとすることはできます。
認知度抜群!臨床心理士
臨床心理士は公認心理士よりもかなり前から存在し、心理カウンセラー資格のトップを貫いてきました。
正確には公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。
臨床心理士の資格を取得すれば、医療機関や教育機関は勿論、刑務所や少年院などでも心理カウンセラーとして働くことができます。
知名度も抜群なので、この資格を持っていれば就職にはかなり有利です。
臨床心理士の試験は筆記と口述試験で、カウンセリングなどの実技試験はありません。
受験には以下のどれかを満たす必要があります。
- 第一種指定大学院を修了する
- 第二種指定大学院を修了し、1年以上の心理臨床を経験する
- 大学院で臨床心理学を修了する
- 医師免許を所持しており、2年以上心理臨床経験がある
これだけしっかりとした準備が必要であるにも関わらず、公認心理士より難易度が下がる理由としては、大学院が通信過程でも良いという点です。
それでも公認心理士と同様の信頼が確保できる資格と言えるでしょう。
公認心理士と臨床心理士を比較!
公認心理士と臨床心理士は、今のところ働いている現場は同じようなところです。
公認心理士が比較的新しい資格のため、まだ実際の現場では違いがはっきりしていないのが現状です。
2つの資格を比べて、本来の仕事内容としては臨床心理士は調査や研究が主体となり、公認心理士は患者さんへの情報提供を行うこととなっています。
今後職場や仕事内容でも差別化が出てくるかもしれません。
ちなみに臨床心理士は5年に1回更新があり、公認心理士は更新がありません。
これは大きな違いですね。
心理カウンセラーの職場別おすすめ資格
心理カウンセラーの資格は働く場所に直結しています。
どのような場所で働きたいかによって、資格を検討するといいでしょう。
学校で働きたい方にお勧めの資格
子供の成長過程において、心理面からサポートに携わりたい方は以下の3つの資格がお勧めです。
学校心理士
学校心理士は主に小・中・高、及び特別支援学校などで活躍する心理カウンセラーです。
生徒だけでなく、親や教師の心理面のサポートを行います。
現代では生徒間の問題も見えにくく複雑化しています。ひきこもりや不登校になる生徒は年々増え、最悪の場合は自殺に至るケースもある程です。
学校心理士の必要性には危機迫るものがあるでしょう。
資格取得には試験に合格する必要がありますが、その試験を受ける為の条件というものがあります。
以下の試験を受ける為の条件のうち、どれを満たしているかによって提出書類や試験内容が変わるのも学校心理士の特徴です。
- 大学院で心理学関連の科目を修了し、実務経験1年以上
- 4年生大学卒業後、専門的な実務経験5年以上
- 公認心理士の資格を持つ
- 学校の管理職などで、生徒への心理的サポート業務を3年以上
また学校心理士は5年に一度更新があります。
資格取得までには年数がかかりますが、大学院修了が必須ではない為、資格取得の可能性は広いでしょう。
臨床発達心理士
臨床発達心理士は、発達心理学をベースに発達に関する問題や不登校、ひきこもりなど幅広い問題に向き合います。
学齢期だけでなく、青年期から老年期まで一生に渡りサポートすることができます。
資格取得には年1回行われている審査を受ける必要があります。
資格取得までの手順は以下です。
- 申込書を購入します。
- 審査手続きでは認定料33,220円を支払います。
- 一次審査(書類審査と筆記試験などいくつかパターンがあります)
- 二次審査(複数の審査員による面接)
- 合格した方は資格認定の手続きを行います。
臨床発達心理士の資格は5年に一度更新が必要です。
またこちらの審査を受けるにも条件があります。
- 大学院で発達心理学を学んでいるか、修了してから3年以内である。
- 臨床経験3年以上
- 公認心理士の資格がある。
- 大学や研究機関で研究職をしている
以上のように簡単に取れる資格ではありませんが、需要は高いでしょう。
心理判定員
心理判定員の特徴は、任用資格と言って、児童相談所などの決められた職場につくことで、心理判定員となることができます。
仕事内容は、知能検査や発達検査などの各種検査と面接です。
知的障害の子や、保護者と関わることの多い仕事となります。
心理判定員は他の資格とはかなり違う面があります。
まず公務員である為、地方上級公務員試験に合格しなければなりません。
難易度はかなり高めの試験で、合格後心理判定員を希望して配属される必要があります。
その際公認心理士や臨床心理士の資格があると有利ですが、どちらも難易度が高いですし、すぐに取れる資格ではありません。
心理判定員の特徴をまとめると以下です。
- 試験に合格したからなれるものではない。
- 定員が決まっている為、狭き門。募集1枠に対し10名の応募。
- 公務員の為収入が安定している。
- キャリアを積めば年収1,000万円になることも。
このように日本の心理士の最難関と言われていますが、キャリアを積めば安定した生活ができます。
今は虐待などの問題もあとを絶ちません。心理判定員を雇用できる場が増えてくれるといいですね。
働く人のサポートがしたい方にお勧めの資格
働く人に向けた心のサポートに興味がある方は、以下の資格を目指していきましょう。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは歴史ある民間資格で、労働者の心のサポートを行います。
主な活動内容はこの3つです。
- 職場におけるストレスに向き合うメンタルヘルス
- どのような技能を身につけて仕事に活かすか?キャリアに関する相談
- 快適な職場環境を作るためのサポート
産業カウンセラーの資格を取得するには学科試験と実技試験がありますが、難易度はそう高くないでしょう。
受験には次のどちらかの工程が必要となります。
- 日本産業カウンセラー協会が行う養成講座を修了すること
- 大学院で心理学関連の科目を修了し、所定の単位を取得した者
養成講座は講習・実習約150時間、費用は331,000円で取得できます。
約6ヶ月程かかりますが、大学院に比べると取得しやすいでしょう。
働く人の力になる為、労働基準法などの知識も必要となるやりがいある仕事です。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントはその名のとおり、仕事でのキャリアを手助けするお仕事です。
職業能力開発促進法に基づく国家資格となります。
活躍の場も働く人のいる場所となり、多岐に渡ります。
- 企業では人事、新人教育に関わったり、カウンセリンングルームを開くパターンもあります。
- ハローワークなどの公的就業機関では、求職者に合った仕事は何か一緒に考え、仕事探しの支援まで行います。
- 人材派遣会社では企業と求職者の接点となり、よりよいマッチングへと導きます。
試験は年3回行われており、知識を確認する学科試験と、カウンセリング技術を見る実技試験があります。
試験を受けるまでに規定の講習140時間を受けなければいけませんが、学歴は不問となっていますので、比較的受けやすいでしょう。
費用は386,600円ほどかかりますが、教育訓練給付制度を使える方であれば15万円で資格取得できます。
働き方も多岐に渡る現代では、需要も高い資格です。
NLTプラクティショナー資格
日本NLP協会が認定しているコミュニケーション能力を高めるための資格です。
NLPとは?
Neuro Linguistic Programingの略で、日本語に直すと神経言語プログラミングとなります。
心理学と言語学を用いた学習プログラムで、学ぶとあらゆるパフォーマンスの向上に繋がる為、有名スポーツ選手や米国大統領も学んだことで知られています。
主に以下のようなことが身につけられるようになります。
- 他者や自分とのコミュニケーションが取れる
- 感情のコントロールができる
- マイナス感情の克服
- セルフイメージを高める
- 成功や失敗に対する恐怖の克服
資格自体は、試験がなく、全60時間の講座を受講することで資格取得となります。
この講座が日本NLP協会認定の講師が各地域で開催しており、講師によって講座の進め方や費用が変動する点がやや難点です。
認定心理士
認定心理士は、心理学の基礎知識を習得したことを証明する資格です。
直接仕事に直結する資格ではありませんが、産業カウンセラーを目指す方や、大学で学んだ心理学に関する知識を自身の仕事に役立てたい方にお勧めの資格です。
認定心理士の資格は、4年生大学で心理学を修了し、申請をすれば資格が取得できます。
「心理学」という名称がついていない学科でも、心理学の基礎知識を有していることが証明できる利点があります。
すでに大学を卒業している方は、通信制の大学で自宅学習を中心にしながら、週末に学校に通うなどの方法でも取得できます。
あくまで大学で習った知識を証明するものですが、上手く活かせば仕事の幅を広げられるでしょう。
趣味や自身のケアに活かしたい方にお勧めの資格
仕事というより自身や周りのメンタルヘルスに役立てたいという方にはこちらの資格がお勧めです。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは勉強から試験まで全て通信で行える人気の高い資格です。
費用も全て込みで34,650円となっており、業界最安値。
約2ヶ月で取得できます。
テキストとDVDで学習しますので、自分のペースで行えるところもポイントですね。
カウンセリングの基礎知識や心理学について学べる為、自身のメンタルケアや他社とのコミュニケーションに大いに役立てることができます。
メンタルケアカウンセラー
メンタルケアについて初めて学ぶ方に適した資格です。
心理カウンセリングの基礎知識と、ストレスやうつ病など心の病気に関して幅広く学ぶことができます。
メンタルケアカウンセラーの資格はメンタルケア学術学会の指定する通信の学校で、添削課題と修了試験に合格することで取得できます。
学習期間は約3ヶ月、費用は4万円以下とお手ごろです。
学ぶ内容はこころ検定4級か3級に相当します。
これで自身のストレスへの対処法がわかり、他者の力にもなれたら有料のカウンセリングを受けるより安くすむかもしれません。
メンタルケア心理士
メンタルケア心理士はメンタルケアカウンセラーの上級資格となります。
学ぶ内容も更に広くなり、こころ検定でいうと2級程度の内容で、学習期間は4ヶ月程です。
解剖生理学や薬理学など医学的な面からも学ぶことができるのが特徴です。
規定の通信添削課題を6回行ったあと、こころ検定2級に合格することで取得できます。
こころ検定2級は年4回開催されており、受験料は7,700円となります。
その他費用として以下の2つがかかります。
- 講座受講:49,000円
- 資格登録料:5,600円
合計62,300円となります。メンタルケアカウンセラーよりは学習量も多いので少々高くなりますが、取得しやすい資格でしょう。
ここであげた3つの資格は似ていますが、学習範囲や認定団体などが異なるという違いがあります。
心理カウンセラー難易度別ランキングと合格率
数ある心理カウンセラーの資格ですが、難易度順にまとめるとどうなるのでしょうか?
ランキングはこちらです!
- 公認心理士
- 臨床心理士
- 学校心理士
- 臨床発達心理士
- 認定心理士
- 産業カウンセラー
- メンタルケア心理士
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
堂々の1位である公認心理士は、新しくできた国家資格であり、資格取得までの学習期間、難易度の面でトップとなっています。
その合格率は第1回試験79.6%、第2回試験46.4%、第3回試験53.4%とまだ安定しませんが、1回目の試験はすでに現場で活躍している心理カウンセラーが多く受験したこともあり、合格率が高くなっています。難関であることに変わりはありません。
2位の臨床心理士の合格率は60〜65%です。
ただし合格率は全体としてではなく、臨床心理士資格内のことですので、他の資格と比べると更に高くなるでしょう。
認定心理士は試験がなく、資格申請に通れば資格取得できることから、合格率は9割以上となっています。ただし大学で学ぶことが条件となる為、難易度は低くありません。
メンタル心理カウンセラーやケアカウンセラーは趣味の領域で気軽に取ることができますね。
以上のように難易度の開きが大きいのも心理カウンセラーの特徴です。
心理カウンセラーの資格が活かせる職場
メジャーな職場から、ボランティアでできるサポート業務まで、心理カウンセラーの資格を活かせる職場は沢山あります。
通信で取れる資格でも心理カウンセラーとして活躍している人は多くいますので、以下を参考に、自分に合った職場を検討してみましょう。
病院などの受付スタッフ
病院やクリニックの中には受付スタッフにも心理カウンセラーの資格を求める求人があるなど、資格があることで有利になる職場です。
患者さんと近い距離にある受付スタッフは、資格取得で学んだコミュニケーション能力や、患者さんの様子からできることを察知する能力が活かせるでしょう。
スクールカウンセラーなどの教育機関
資格がなくても相談員としてボランティア活動をしている人もいます。
資格があればさらに質の高いサポートができるでしょう。
企業内カウンセラー
職場内の問題は、生活の大半を過ごす場所として無視できない内容です。
いつからかパワハラやセクハラという言葉が出始めましたが、やっと職場内でも問題を提起できる環境が出来つつあるのではないでしょうか?
その中でも、同僚や上司との関係、仕事内容に思い悩む人は多くいます。
そこで親身に話を聞き、解決に向けての提案などをしていきます。
民間のカウンセリングルーム
民間のカウンセリングルームは、薬に頼らないこころのカウンセリングです。
その分高いカウンセリング能力が要求されます。
診療内科などの病院では薬を出すだけのところも実際は多いです。待ち時間も長ければ、患者さんは満足に話せないでしょう。
とりあえず薬をもらい症状が改善しても、根本のこころの部分に辛さを抱え、苦しんでいる人は多いです。
多岐にわたる問題に適切に対処する、まさに心理カウンセラーというべき職場です。
いのちの電話やいじめ相談電話などのボランティア
若い人の自殺者数が伸びる日本において、電話での相談は大事な命を繋ぐツールとなっています。
ボランティアといえど、命がかかった相談に適切に対応する為、研修がしっかりと行われています。
現在の仕事に活かす
心理カウンセラーの資格を持っていれば、積極的に上司や同僚の話を聞くことができ、悩み相談をされることもあるでしょう。
実際に企業内でカウンセリングルームを立ち上げた話もあります。
もし本格的な臨床心理士の資格を持っていれば、産業カウンセラーなどになることも可能です。
身近な人間関係に役立てる
こころの病は気づかぬうちに進行していることもあります。
無理をしてしまう性格に早めに気づき、話を聞いてあげることができるでしょう。
日常的にも家族との関係や夫婦関係、子育てと悩みは尽きないものです。
資格を取得したことにより、カウンセリングの知識が身につけば、身近な人たちの役に立つことも大いにできるでしょう。
心理カウンセラーと似たような仕事はある?
心理カウンセラーという名前ではありませんが、同じように話を聞き、心に寄り添ったサポートをする仕事として、以下の2つも重要視されています。
精神保健福祉士
精神科ソーシャルワーカーと呼ばれる国家資格です。
精神障害を抱える人のサポートをする福祉のお仕事となります。
精神障害があると、働くことが困難になり、生活費や医療費を工面することも難しくなります。そのような人や家族の相談にのり、必要な公的支援制度を紹介するなど、生活をサポートするお仕事です。
2012年に「障害者総合支援法」が施行されたことで、精神保健福祉士の仕事内容は病院内から地域での生活サポートまで広がりました。
資格取得には社会福祉系の4年生大学を修了し、試験に合格することが必要です。
社会福祉士
社会福祉士もソーシャルワーカーと呼ばれる国家資格です。
仕事内容は精神保健福祉士とほとんど同じですが、対象が幅広く、高齢者や障害者、低所得者など地域で支援を必要としている人たちのサポートを行います。
資格取得には精神保健福祉士と同じく、社会福祉系の4年生大学を修了し、試験に合格することが必要です。
まとめ
心理カウンセラーは資格の種類から、仕事内容まで幅広いことが理解できたのではないでしょうか?
今回お伝えしたのは以下の内容となります。
- 心理カウンセラーはアドバイスはせず、患者が自分で解決に向かえるようサポートする
- 心理カウンセラーになるには自分の性格を知ることが大切
- 心理カウンセラーの資格は複数ある
- 公認心理士と臨床心理士が心理カウンセラーの2大資格である
- 働く職場によっても必要な資格は違う
- 心理カウンセラーの資格は取得しやすいものから難易度が高いものまである。
- 心理カウンセラーと似た仕事に精神保健福祉士と社会福祉士がある。
以上心理カウンセラーはなりたい理想像に合わせて資格取得を目指せる、多様性のある資格です。
目標を明確にするところから始め、実現に向けて取り組んでいきましょう。