高い技術と正確な知識が要求される、ジェルネイル検定上級を取得することは、自身にとっても、ネイルサロンにとっても貴重なことです。
ジェルネイル検定上級となると、難しいイメージがありますが、独学は可能なのか?ということも気になりますね。
初級や中級と違い、上級は勉強方法も変わってきます。
ここでは、ジェルネイル検定上級の、合格率から難易度、勉強方法ついて、詳しくお伝えしていきます。
Contents
ジェルネイル検定とは?最高位上級について
ジェルネイル検定は、正式名称を「JNAジェルネイル技能検定試験」といいます。
これはNPO法人日本ネイリスト協会が認定する技能検定試験です。
ジェルネイル検定は、初級・中級・上級の3段階に分かれており、上級は、その最上位級となります。
上級の資格の概念は、ジェルネイルのスペシャリストとして活躍できる人材であること、そのための総合的な知識や技術を有していることを証明することです。
上級取得のメリットとは?
ジェルネイル検定上級を取得できれば、仕事の幅がかなり広がります。
まず、プロのネイリストでも取得が難しいとされるジェルネイル検定の上級は、ネイルサロンにとっても非常に価値のあるものなのです。
サロンによっては、上級の資格者だけに特別手当を支給しているところもあります。
また、お客様にとっても、プロの中で高い技術を持っているということは魅力となり、指名も増えることでしょう。指名料があるところであれば、それだけ収入にもつながります。
あとは独立・開業の道です。
ネイルサロンで上級取得者として信頼され、店舗の経営を任せられるようになれば、経営のノウハウを身につけることもでき、独立への後押しとなるでしょう。
開業した場合も、HPなどで資格をアピールすれば信頼につながります。
このようにジェルネイル検定の上級を取得すると、あらゆる可能性を引き寄せることができるのです。
ジェルネイル検定上級の受験資格
ジェルネイル検定上級を受験するためには、ジェルネイル検定中級に合格していることが必要となります。
初級・中級・上級と3段階あるジェルネイル検定は、飛び級ができないシステムなのです。
言いかえれば、上級の受験会場に来る受験生は、すでに難関と言われる中級に合格している人たちです。
すでにサロンを経営している人や、プロのネイリスト、ということですね。
ジェルネイル検定上級の合格率って?
ジェルネイル検定の合格率は、わずか45%です。
プロのネイリストが集まる試験で、半数以上が受からないとなれば、その難易度の高さがお分かりいただけるでしょう。
そこで大事なのは、現状に満足せず、努力し続ける姿勢です。
いかにプロのネイリストとして活躍していようとも、しっかりと準備をして挑まなければ受からない試験、ということを頭に入れておいてください。
ジェルネイル検定上級の合格基準
ジェルネイル検定上級の合格基準は、100点満点中70点以上です。
こちらは減点方式となっていますので、いかにミスを無くすかも重要となってきます。
小さなミスでも減点となるため、試験のあらゆる項目に目を光らせ、対策を行うことが必要です。
ジェルネイル検定上級は、独学が可能?
ジェルネイル検定上級に関して、合格基準に達していれば、独学でも合格は可能です。
しかし、実際には独学だけで合格することは難しい試験となっています。
ジェルネイル検定上級は、筆記なしの実技試験です。
練習では、試験の工程を何度も練習し、客観的な人の目から評価・アドバイスをもらうことが重要となります。
審査基準や、試験の進め方を熟知しているネイルスクールの講座に通うのも、ひとつの手です。
ジェルネイル検定上級のための対策セミナーや、模擬試験が実施されています。
職場のネイルサロンで検定に詳しい方がいれば、教えを乞うなどして、資格取得を目指せるでしょう。
ジェルネイル検定上級の事前準備・申し込み手順
ジェルネイル検定上級を受験することを決めたら、以下のような手順で準備を進めます。
- 試験日と申し込み期間の確認
- 申し込み
- 受験料支払い
- 教材を購入
- 受験票が届く
- 試験
- 合格発表
一つづつ詳しくみていきましょう。
①試験日と申し込み期間の確認
試験は年2回、6月と12月に開催されています。
詳しい日程は、NPO法人日本ネイリスト協会のHPで確認するようにしてください。
申し込み期間は、6月受験の場合、2月下旬〜3月下旬。
12月受験の場合、8月〜9月頃となっています。
②申し込み
申し込みは、インターネットからのみ可能です。
申し込みの際は受験する会場を選ぶ必要があります。
会場は、JNAが認定する認定校、またはJNAの指定するオフィシャル会場(全国7都道府県)です。
オフィシャル会場の7都道府県とは、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡となります。
普段勤めているところが認定校となっている場合もありますし、オフィシャル会場が近い場合もあると思いますので、受験しやすい会場を選んでください。
③受験料支払い
上級の受験料は、16,500円(税込)です。
初級(9,900円税込)と、中級(13,200円税込)に比べると、やはり高いですね。
こちらの受験料は、コンビニ決済、またはクレジット決済で支払いが可能です。
この受験料の支払いが完了しなければ、申し込みが成立しませんので、注意しましょう。
支払いも申し込み期間内に行う必要があります。
④教材を購入
ジェルネイル検定上級の試験内容となる範囲は、日本ネイリスト協会が出している教材で学習することができます。
この教材は、全国のネイルディーラーまたはネイルショップで購入が可能です。
JNAが出している教材で、ジェルネイル検定上級に該当するものは、以下の2つとなります。
JNAテクニカルシステムアドバンス(5,500円税込)
こちらはプロネイリスト向けの、技術・知識を提供する教材です。
ジェルネイル検定中・上級に対応しています。
JNAジェルネイル技能検定試験 上級テクニック講座(DVD)4,950円
こちらでは、ジェルネイル検定上級の最初の試験であるテーブルセッティングから、各テクニックのポイントを詳しく解説しています。
こちらを見れば試験のイメージがより具体的になるでしょう。
⑤受験票が届く
試験の前月中頃になると、受験票が届きます。
こちらの受験票には、証明写真を貼る必要がありますので、6ヶ月以内に撮影したものを用意しておいてください。
⑥試験
いよいよ試験です。ジェルネイル検定上級では、事前審査と実技試験の2つがあります。
事前審査の内容はこちらです。
- テーブルセッティング
- 消毒管理
- 指定商品申請用紙確認・提出
- トレーニングハンドの確認
ここでのミスはゼロに近づけるように、気を引き締めていきましょう。
実技審査は、トレーニングハンドを使い、指定の指に消毒後、イクステンションを施します。
事前にトレーニングハンド10本に、ナチュラルチップを装着し、長さを整えておきます。
決められたテーマのアートを時間内に、審査ポイントを押さえて、繊細に仕上げなければいけません。
⑦合格発表
ジェルネイル検定上級の合格発表を確認するには、以下の2つの方法があります。
- NPO法人日本ネイリスト協会のHPで確認
- 合否ハガキによる確認
①の日本ネイリスト協会HPで確認は、ご自身の受験した回の「JNAジェルネイル技能検定結果確認」にアクセスし、名前・受験番号・生年月日を入力します。
そうすると結果が表示されますので、この方法が一番早いでしょう。
②の合否ハガキによる確認は、受験日から約1ヶ月半ほどで登録した住所に届くようになっています。万が一届かない場合は、申込受付センターに問い合わせをしましょう。
ジェルネイル検定上級の試験内容は?
ジェルネイル検定上級の試験は、筆記試験なしの実技試験のみとなります。
実技試験の内容は、大きく2つに分けられます。
- 事前審査(10分)
- 実技試験(85分)
それぞれ詳しくみていきましょう。
事前審査(10分)
事前審査では、実技に入る前の準備を審査されます。
以下の3項目がありますが、これらをわずか10分で済ませなければいけません。
- テーブルセッティング(決められた用具・用材を正しくセットしているか、衛生面の配慮はされているかが審査されます)
- 消毒管理(ネイル専用ブラシはテーブルに直接置かない。コットン類は蓋付き容器に入れる、など細かい決め事が守れているか、チェックされます)
- 指定商品申請用紙確認・提出(筆記用具忘れは減点となります)
- トレーニングハンドの状態確認(事前に装着した10本のナチュラルチップの状態をチェックされます。仕上がりが不十分な場合は減点対象です)
セッティングの手順は何度も練習し、事前審査の流れを頭に入れておく必要がありますね。
実技審査(85分)
ジェルネイル検定上級の実技試験は、中級と違い、長さのあるイクステンションを施します。
事前準備として、トレーニングハンドにナチュラルチップを装着し、長さ・形を整えておきましょう。トレーニングハンドにも、Cカーブは20%程度など、細かな規定がありますので、しっかり確認してください。
イクステンションの内容は、こちらです。
- 右手(人差し指と中指)・・ジェルクリアスカルプチュア(フォームの事前仕込みは可能。ハイポイントは長さと形に合わせスタイリングすること)
- 右手(薬指)・・ジェルチップオーバーレイ+デザイン(アートのテーマはフラワー。筆のみで描くこと。仕上がりに凹凸が出ないようにする)
- 左手(中指)ジェルチップオーバーレイ(チップの色はナチュラルかクリア。ハイポイントは形に合わせスタイリングする)
- 左手(薬指)ジェルチップオーバーレイ+フレンチルック(ジェルチップオーバーレイのあと、フレンチカラーリング。チップの事前仕込みは可能)
ジェルアートでは、ラインストーンやラメ、ホログラムなども埋め込みにすれば使用可能です。
上記の実技試験の流れを、時間内で効率良く行うポイントがあります。
- デザインはすべて埋め込みです。5本にベースジェルを塗布後、アートの指から先に作り、厚みを出して削ったあとフレンチを行うと早くできます。
- フレンチカラーは1度塗りでも2度塗りでも大丈夫。ベースカラーを濃いめのベージュなどで1度塗りすると、もったりとした厚みも出ず、早く仕上がります。
- 長さのあるイクステンションは、大量のジェルをすくってのせるのが難しいです。そのため、大きめのスクエアジェルブラシを用意して、長さや厚み出しに使用するといいでしょう。
さまざまに工夫をして、時間を有効活用できるように練習していきましょう。
ひとつでも忘れたら失格!?持ち物
ジェルネイル検定上級の試験では、試験で使用する用材・用具はすべて持ち込みとなります。
なんと、一つでも忘れ物をすると、試験の前に失格となってしまいます!!
具体的な持ち物は以下となります。
- 道具用トレイ
- タオル
- キッチンペーパー
- ガーゼ・コットン・コットン容器
- アームクッション
- ライト
- ネイルブラシ・筆立て
- ゴミ袋・ゴミ袋を留めるテープ
- ベースジェル・カラージェル・トップジェル・クリアジェル
- ピンセット
- エタノール
- ステリライザー
- ウッドスティック
- キューティクルニッパー
- スパチュラ
- メタルプッシャー
- ハーフチップ
- バッファー
- ファイル
- タイマー
折角時間をかけて準備をしてきた試験で、忘れ物によって失格ということにならないよう、何度も確認をしましょう。
もし使用禁止となっているを用材・用具をセッティングすると、こちらも失格となってしまいます。
使用禁止のものを誤って持ち物に入れていないか、入念にチェックしてください。
ジェルネイル検定上級!合格へ近づく時間配分
ジェルネイル検定上級の試験で、指定された時間内でミスなく進めるには、時間配分が重要です。
以下は実技試験85分の時間配分の一例となります。
時間 | 工程 |
5分 | 手指の消毒、サンディング、チップを装着する指のみの油分除去 |
5分 | チップの装着、カット、段差削り、指定された5本の指すべての油分除去、フォーム装着 |
5分 | 指定された5本の指すべてにベースジェルの塗布・硬化 |
10分 | 指定された指にデザインを施し、一本ずつ仮硬化 |
25分 | 指定された5本の指すべてにイクステンションジェルを施し、1本ずつ仮硬化しながら厚み出し |
20分 | 指定された5本の指すべてに長さ・表面のフォルムを調整・ダストオフ・油分除去 |
5分 | 指定された指を仮硬化しながらフレンチ作成 |
5分 | 指定された5本の指すべてにトップジェルの塗布、硬化、拭き取り、仕上げ |
5分 | 最終確認、修正 |
あくまで一例ですが、これを軸として何度も練習し、自分に合った時間配分を見つけていくといいですね。
ジェルネイル検定上級!合格のチェックポイント!
ジェルネイル検定上級では、試験で審査をされる際のチェックポイントを押さえておくことが重要です。それができれば、合格に大きく近づきます。
実技試験では、左右合計5本の指に長さ出しを行います。
そこで重要なチェックポイントとなるのが以下です。
- 5本の指にバブルなどがなく、厚み、長さ、Cカーブが揃っていて統一感があるか?
- 表面に凹凸がなく、ハイポイントも出せているか?
- アートは、テーマに合っているか?
- ジェルフレンチは、色ムラがなく、スマイルラインも鮮明か?
これも一例となりますが、このようなチェックポイントを知っておけば、何を意識して練習したらいいか、明確になりますね。
まとめ
ジェルネイル検定上級について、理解が深まりましたか?
ここでお伝えした内容は、以下となります。
- ジェルネイル検定上級は、NPO法人日本ネイリスト協会が認定する、ジェルネイル検定の最上位級
- ジェルネイル検定上級を取得するメリット
- ジェルネイル検定上級の受験資格は、中級に合格していること
- ジェルネイル検定上級の合格率は、わずか45%
- ジェルネイル検定上級の試験内容は、事前審査と実技試験
- 合格するには時間配分が大事
- ジェルネイル検定上級審査のチェックポイント
ジェルネイルのスペシャリストとなるジェルネイル検定上級の資格は、簡単に取れるものではありませんが、それだけ価値のあるものです。
日々活躍するネイリストの憧れであり、努力の証となります。
自身の可能性を大いに広げるジェルネイル検定上級に、ぜひチャレンジしてください!